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「具合悪いのか、ルーク?最近ユーリといるみたいだけど。イジメられたら言えよ?」
頭を撫でようとロイドがルークに手を伸ばすと、それより先にユーリが二人を離す。伸ばした手が空中に止まってしまったが、ユーリはさっさとルークを連れて歩き出した。ロイドに殺気を込めた視線を残して
「どうしたの、ハニー?そんな所でボーっとして」
「…ゼロス。いや、何でもない」
(あの目は、本気だった。ルークに触れていたら剣を抜いたかもしれない)
一体あの二人に何があったのかと、ロイドは不安に思えた
「ハニーが考え事なんて、はっ!この世の終わり!?」
「うるせーぞ、ゼロス!俺だって考え事の一つや二つくらいありゃ!」
ぎゃあぎゃあと言い合いになりながら、あの二人とは反対に歩き出す。願わくは、あの優しく素直じゃない友が幸せである事を願うだけだった
一方、ユーリに引っ張られてルークはまた空き室のベッドに押し倒されていた
「まーだ分かってなかったのか、ルーク」
「…っ、それは…。別にいいじゃねーか!クエストぐらい…いてっ!」
がりっと耳たぶを噛まれた。躯はユーリの手でまさぐられる。すっかり慣らされた躯は、ユーリの手に従順になっていた
「なら、まだ教え込んでやんねーとな?お前が誰のもんなのか。誰の傍にいなきゃなんねーのか」
「嫌だ、やめ…っ!」
「それとも、あいつらの前で犯してやろーか?そしたらお前も嫌でも理解すんだろ?」
くくく、と喉を鳴らして笑うユーリ。いつ、彼をこんな風にさせてしまったのだろうか
考えても、考えても、その答えは出ない
「ま…がいい」
「ん?どうした?」
顔にかかった髪を払ってくれるユーリの大きな手。憧れていたけれども
「前の…大罪人がいい…。こんなの、嫌だ!訳分かんねー!今のユーリなんか、きら…っ!」
言葉を遮るように口唇を塞がれた。手首をがっちりと痛いくらいに握られる
「ルーク、そんなに酷くされてーのか?」
怒らせたらしい。凶暴な瞳をして、低い声で囁かれた
「どうやら、まだまだらしいな。お前を完全に手に入れんのは」
服を剥ぎ取られて、これから起こる行為に抗う。だが、許されるはずがない
「もう、戻れねーんだよ」
何も知らなかったあの頃には
そう呟いたユーリに、捕われたルークは、しっかりとユーリに依存させられるまで犯され続けた
もう、笑い合った友人の時の平穏は返って来ない
END
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