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「ルーク、クエスト行かねーか?」
最近ぼーっとしているルークにロイドが声をかけてきた。傍にはクレスとスタンもいた
「最近元気ないじゃないか。少し気晴らしをしに行こう」
熱血漢があり、お人好しの彼らにこうやって誘われる事が多かった。ルークはユーリに自分がクエストから戻るまでここにいる事を言われたが、まぁいいかと立ち上がった
「そこまで言うなら行ってやる!」
「よし、じゃあ行こうぜ!」
ロイドに腕を掴まれて、さっさと引っ張られる形で歩きだした
「おわっ、ロイド!引っ張るなつーの!」
「いいじゃんか。ルークとクエスト行くの久々なんだぜ」
楽しみだなー、と歩くロイドとルークの後ろからクレスとスタンもついてきた
クエストは、街に出現する魔物を退治してほしいというもの。魔物も雑魚だから、むしろ肩慣らしには丁度良かった
帰ってきた時には、意気揚々としてルークは機嫌良く自分の部屋に戻った
いや、戻ろうとした
「ルーク」
いつか聞いた背筋が凍りそうな低音で呼び止められた。振り替えると、腕を組んで壁に寄り掛かるユーリがいた
その表情は向けられた事がない冷たいものだった
「な、何だよ?俺疲れてんだ。話なら明日…」
「ここにいろ、つったよな?何で出かけた?」
びくっ、と身体が震える。だが、怯えているなど知られたくなくて、精一杯声を張った
「別にどこ行こうがいいだろーが!お前だってクエスト行ったんだろ!俺だって戦いたいんだよ!」
「行くなとも戦うなとも言ってねーだろが。ただ俺がいない時に行くんじゃねーよ」
ユーリはルークの腕をきつく握り、さっさと歩きだした
空き室に無理矢理押し込められ、ベッドに放り投げられた
乱暴なユーリの態度に、一瞬固まっていると動きを封じるように上から覆い被される
「言っても分かんねーお坊ちゃんには躯に教えてやるよ」
ふっ、と笑うユーリの顔は、震えが止まらなくなるような冷笑だった
「嫌だ…っ!ユーリ…っ!?離せ…っ!」
「じっくりと教えてやるよ。お前が誰のものなのか。誰の傍にいなきゃいけねーのか」
ふわりと頬を撫でる。その大きな手は、間違いなくユーリのものなのに
何だか、とても遠い人に感じた
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