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身体が重い。うっすらと目を開けたルークが最初に思った
起き上がろうにも、痛くて動けない。キョロキョロと辺りを見渡せば、ここはルークの私室だった
(そういえば、気絶させられたのかな)
あまり記憶がない。途中から無我夢中になったのは覚えているが、本当にとことんまで攻められ、理性が吹っ飛んだのだ
重い身体を無理矢理起こし、ベッドから起き上がろうとする。が、言う事をきかない身体は下へ落ちてしまう
「―――っ、てぇ」
情けなくて、床に蹲っていたら、足音が聞こえてきた
「ルーク!?大丈夫かい?」
勢い良く扉を開けて入ってきたフレンは真っ先にルークの元へ駆け付ける。優しく抱き起こし、身体を支えてくれる
「痛い所はないかい?怪我は―――」
「だ、大丈夫だって!大した事じゃねーよ!」
見られた恥ずかしさに、慌ててそう叫ぶ。怪我はしてないと分かり、フレンはホッと安心した
「そうか、でも動けないだろ?昨日は無理させてしまったしね」
「ぅあっ…」
昨日の痴態を思い出して、顔を真っ赤に染めるルーク
そんなルークに、クスリ、と笑うとフレンはルークを横抱きに抱えた。通称お姫様抱っこである
「ちょ…っ!フレン!?」
「お腹空かないかい?朝食出来たんだ。行こうか」
フレンは有無を言わせずにリビングへと連れていく
「お、やっと来たか」
ユーリが料理を器に盛り、並べていた。ルークは誰が作ったのか不安になる。いや、ある人以外は3人共上手だがら心配ないのだが
そんなルークの気持ちを汲み取ったのか、ユーリが真顔で口を開く
「これは俺とガイで作ったから安心しろ」
「はは、彼は作ってないさ。まだ死にたくないからな」
事情を知っている2人に、ルークはやっとホッとした
「誰の事を言っているんだい?」
不思議そうに言うフレンはルークを椅子に下ろした。優しい彼には悪いが、ルークもまた、生命の危機を感じたくないのだ
「では全員揃いましたし、いただきましょうか」
いただきます、と食べ始める彼らを見てルークは昔を思い出す
家族といた頃を
「どうしたのですか?具合でも悪いのですか?」
心配そうに見つめる彼らにルークは微笑む
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