キスを召し上がれ
越前家の一日はキスで始まりキスで終わる。もしどちらかが家にいなくて朝と夜のキスができなくても別の日にその分キスをするという決まりがある。もちろん、そんなルールはわざわざ作ったわけではない。ただ若旦那様越前氏がキス魔で若奥様桜乃は流されただけだ。それがいつの日かこんなお約束になってしまっている。この決まりが作られてからもう何日も立つのだが桜乃はその行為に未だに慣れない。毎日最低でも二回はしていることになるのだが、それだけではなくあの越前リョーマのことだから数えきれないほどしているだろう。だから慣れるのが当然であるのだが、桜乃の場合は慣れるどころかさらに恥ずかしがって緊張してしまう。まあ、桜乃らしいといえば桜乃らしい。
「桜乃、もうそろそろ慣れたら?」 「ふ、ふぇ、む、無理だよぅ…リョーマ君」
真っ赤になった桜乃は相変わらず可愛い。この初々しい反応はリョーマの胸を高鳴らせる。そしてさらに調子に乗ったリョーマは恥ずかしがる桜乃は他所にどんどん深くしていき、唇と唇を割って舌を侵入させる。桜乃からの甘い声と吐息はなんとも可愛らしいくて色っぽいのでリョーマの理性は簡単にぶっ飛んでしまうというのがいつものパターンだ。そして激しく何度も何度も桜乃を求めて翌日桜乃がベッドから起きられなくなるというのもいつものパターン。 そんなことを聞けば桜乃がキスに慣れないというのも何となく納得してくる。いろんな意味で。
「桜乃、最近大会続きで忙しくて大事な大事な夫婦の営みができなかったよね?」 「ええ!?////いとなっ…え!?////」 「ねぇ、いい?」 「いやっ!ダメ!リョーマ君のエッチ!」 「…そのエッチな奴を選んだのは桜乃だよね?」 「ううっ…」
可愛らしい妻に口元が緩むのを隠せない世界が誇るテニスプレーヤー。実際は誰がどう見ても妻に迫る変態な夫にしか見えないのだが。 それはさておき、これからこの夫婦の大事な大事なイチャイチャが始まるようだった。妻のほうは逃げようと必死なのだが、夫のほうはそれを阻止し、妻を横抱きにしベッドへ連れていこうとしている。こうなったらもう遅くてこのやんちゃな越前リョーマを止めることはできないのは桜乃も知っていたため、仕方なく腹をくくりおとなしくリョーマの背中に腕をまわした。
「桜乃、愛してる」
その言葉に桜乃が耳まで真っ赤にしたのは当然のことである。
あとがき 越前氏の「愛してる」に萌える//
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