テニスログ | ナノ


俺は、桜乃を抱きしめる瞬間がたまらなく好きだ。腕に力を入れると壊れてしまいそうで怖い。だから、そっと優しく抱きしめる。そうすると、桜乃も俺の背中に腕を回してくれる。その時、にっこり笑う桜乃は世界中の誰よりも可愛いだろう。


「景吾さん、くすぐったいです」


桜乃の髪を撫でていたら、桜乃はくすぐったそうに笑った。俺はそのまま桜乃にキスをする。優しい、触れるだけのキスを。


「景吾、さん?どうしたんですか?」

「なにがだ?」

「今日はなんだか、優しすぎます」


当たり前だ。今日は初めてお前に出会った日だからな。桜乃に出会って、俺は変わったと言われるようになった。雰囲気が優しくなった、と。たぶん、それは桜乃を見ていると自然と顔が緩んでしまうからだと思う。桜乃といるとホッとする。癒される。これからもずっと傍にいてほしい。


「今日は、な。」

「ふふ。変な景吾さん」




昼時の安らぎの空間



- ナノ -