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俺と桜乃が付き合って3カ月が経った。そういえば、桜乃から好きって言ってもらったことは数えるくらいしかないと思う。俺が言っても桜乃は恥ずかしがって言ってくれない時が多い。そして消極的だから桜乃から誘われたことは一度もない。キスだっていつも俺からだ。なんだか俺ばっか好きみたいで悔しいんだけど。今日こそは桜乃に好きって言ってもらおう。


「桜乃。俺になんか言うことない?」
「ふぇ?リョーマ君に言うこと?」
「そ。今日で付き合って3カ月でしょ?俺、桜乃からすっごく聞きたい言葉があるんだけど」
「聞きたい…言葉…?」


桜乃はきょとんとする。いつもこの可愛い仕草に負けて見逃してしまうけど、今日は違う。今日こそは絶対言ってもらいたい。桜乃は俺の言った聞きたいこと、について考え込んでいる。


「うーん…リョーマ君に言わなきゃいけないこと、リョーマ君に言わなきゃいけない…あっ!」


突然大きな声を出して大きな目をもっと大きくして俺の方を見た。やっと分かったか、と安心していたが、桜乃の次の言葉は…


「リョーマ君!その…これからも、よろしくお願いします///」


頬を赤らめてこんなことを言った。え?それだけ?もっと他に言うことあるでしょ?リョーマ君大好き!とか言ってくれたりしないわけ?と頭の中でいろいろ考えながら桜乃の方を見て、ため息をついた。


「…分かった。正直に言うよ。桜乃、俺のこと好き?」
「ふぇ!?///な、なんでそんなこと聞くの!?///」
「…俺達付き合って3ヶ月目だけど、俺、桜乃に好きって全然言ってもらってないんだけど…」


俺はいつも言ってるのに、と言ってねだるように桜乃の顔を見た。そしたら、桜乃は顔を真っ赤にさせて、小さく好き、とつぶやいた。本当に小さな声だったが俺は聞き逃さなかった。桜乃から数えるくらいしか聞けない好きの言葉。俺にとっては何よりも大切なものだった。だけど、それだけじゃ全然足りない。


「聞こえない。もう一回言って」
「ふぇ!?も、もう一回!?」
「そ。もう一回」


桜乃は何回か大きな深呼吸をして、改めて俺の方を向いて、恥ずかしがってはいたものの今度ははっきりと聞こえるように


「うぅ…///………好き///」


そう。俺が聞きたかった言葉を言ってくれた。俺は桜乃の口からこの言葉が聞きたくて、そして今聞けたことがとても嬉しくて、気づいたら桜乃を腕の中に閉じ込めていた。


「リョ、リョーマ君!?///」
「…俺も桜乃のこと、好き。桜乃、キスして」
「キスうううう!?」
「そ。桜乃が俺のこと好きだったら、俺に伝わるようにキスしてよ」


うぅ…と言いながらも桜乃はキスをしてくれた。久しぶりの桜乃からのキスに、胸がときめいた。桜乃の唇は柔らかくて食べてしまいたいくらいだった。今日は桜乃から愛の告白やキスもしてもらったりして、そういう柄じゃないけど、嬉しくて顔がにやけそうだった。




好きすぎて、たまらない

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10000hit企画小説。そると。様へ



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