彼女を抱きしめた。男とは違う細くてきれいな体。優しくしないと,折れてしまいそうで怖かった。ギュッと抱きしめると,彼女は俺の胸に顔を埋める。その瞬間がたまらなく恋しい。
「…赤也さん…」
君はそうやって,とても可愛い声で,俺の名を呼ぶんだ。
「…なんだ?」
「寒いので…もっとギュッてしてください…」
俺は何も言わず,そのきれいな体を寒さから守るように,俺の体温しか伝わらないように,優しく包む。彼女は少し微笑んで,また,俺の胸に顔を埋める。その姿が可愛くて俺もいつの間にか顔が緩んでしまう。とても寒い。でも,とても温かい。それは,2人の体温があるから。
抱きしめる,温かかった