春野サクラはいつもいつも俺の周りにいる。
だからそれが当たり前だと思ってしまっていた。それがある日、ぱったり俺に姿を見せなくなった。
最初は関係ない、と思っていたがやはり気になる。
いや、サクラのことが気になるわけではない…と思う。
ただ、いつもいるやつが急に消えたら誰でも気になるものだろう。
そしたら、ある日カカシの野郎に嬉しそうについてまわるのを見掛けた。
(なんでアイツと一緒にいるんだ……?)
別に俺には関係ない、関係ないんだ。
じゃあなんでモヤモヤするんだ?
サクラが誰と一緒にいようが関係ないと思ってるのになんでこんなにスッキリしないんだ?
もしかして、俺はサクラのことを…?
「…フッ、」
そうだ。簡単なことだ。
俺がサクラのことを好きなんだ。
だからモヤモヤしてスッキリしないんだ。
(そういうことか)
あとは本人にこの気持ちを伝えるだけ。
急いでカカシと一緒にいるサクラのもとへ向かった。
そして、自分のところに抱きよせて耳元にそっとささやく。
さあ、彼女の答えは…?
もう恋ははじまっていた