知ってる。
サクラは人一倍可愛くて、誰よりも俺を愛してくれていていることを。
そんなことはすでに分かっている。
だからこそ我慢できないんだ。
アイツが他の男に微笑んでいることが。
ほら、また。
ナルトとカカシに囲まれて何やら楽しそうに話している。
同じ班の仲間なんだから話をするくらい当たり前だ。
だけど、あの笑顔は俺のもんだろうが。
いくら仲間でも俺以外が見ることを禁止する。誰にも見せたくない。
「あははっ!カカシ先生おもしろーい!」
「ははっ、腹痛いってばよ!!」
「でさー、もう大変だったんだよー…っと」
カカシは気づいたようだ。
前方に俺が向かってきていることを。
(王子様が悪い悪魔2人からお姫様を救出…か。青春だねぇ)
「ナルト。行こう」
「え?カカシ先生ってば、どうしたんだってばよ?」
「カカシ先生、どこへ行くの?」
「んー…ちょっとね。サクラはここへ残るように。ナルト」
カカシはナルトを連れて行き、その場を離れた。
相変わらず勘の鋭いやつ。まぁ、そのおかげで追っ払う手間が省けたがな。
「カカシ先生、いきなりどうしちゃったのかしら…?」
あとはサクラしかいない。
俺はすばやくサクラのもとへ行った。
「きゃっ!さ、サスケ君!?どうしたの?こんなところで」
サクラは相変わらずの鈍さ。
俺がここへ来た理由なんてひとつしかない。
俺はサクラを軽々と持ち上げた。
「ちょっ、サスケ君!おろして!私重いから!」
「軽すぎるくらいだ。俺はそこまで柔じゃない」
そのまま俺の家に向かった。
途中、サクラは諦めたようでおとなしく俺の腕におさまっていた。
が、向かうところが俺の家だと知ると、顔を赤くして足をじたばたさせた。
そこにキスをひとつ落とすと、バカ…と言ってまたおとなしくなった。
まだ顔が赤いサクラは俺の胸に凭れかかって目を瞑った。
愛の逃避行まっしぐら
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ゆすら様に相互記念小説。ゆすら様以外お持ち帰り禁止。