隣には愛しいキミ


朝目が覚めたら隣には愛しい蜜柑がいる。シーツで自分の胸を隠すようにして俺の方を向いて可愛い寝顔を見せている。俺は今、すごく幸せだ。それはこいつが俺の傍で笑っていてくれているからだ。俺には眩しいくらいの笑顔。蜜柑はいつでも俺を癒してくれる。それがどれだけ助かっているか…。


「んっ……」
「蜜柑、起きたか?」
「な、つめ…?起きてたん?」
「ああ、まあな」


まだ眠いのかボーっとしていて目の焦点が合っていない。目をゴシゴシ擦っている。


「あっ!棗!もうすぐ授業始まる時間や!」


遅刻する!と騒いでいる蜜柑を俺は優しく抱きしめた。そうすると、目をパチパチさせて驚いたように俺を見る。


「棗…どないしたん?何かあったん?」


蜜柑は心配そうに俺を見つめる。いつもそうだ。俺が辛いときこいつは自分のことのように悲しんでくれた。いつも精一杯の愛で俺を包んでくれた。


「…なんでもねぇよ。バーカ」
「なっ!バカ言うな!」
「どうでも良いけど、今から行ってもどうせ間にあわねぇ。サボるぞ」


そう言って俺は無理やり蜜柑を押し倒した。バタバタと暴れていたがやがてアホ、と呟いて抵抗をやめた。俺は蜜柑に触れるだけのキスを何度も何度も繰り返し、また深い眠りについた。