はっきり言っておく。
俺の彼女は世界一…いや、宇宙一可愛い!!
だから、狙ってる野郎は当然多いわけで…とくに俺の先輩達なんかは全員桜乃に好意を寄せている。
しかも、部長なんか半ば強引に桜乃を俺から引き離そうとしている。
桜乃は俺の先輩だからっていつもにこにこと笑顔を振りまいてるし、俺だけで良いのにわざわざ先輩たちにまで手作りの差し入れを持ってくる。
あーもう。勘弁してくれよ。俺だけの桜乃なのに。


「桜乃ちゃん。よく来たね。遠かったろう?」
「いえ、大丈夫です!ちょっと道に迷っちゃいましたけど…」
「それは大変だったでしょう。これからは迎えに行きましょうか」
「いえいえ!そんな…大丈夫です。ありがとうございます」
「おお。桜乃。俺に会いに来てくれたんかのう?」
「さっくのー!久しぶりー!会いたかったぜぃ!」


あ゛ー。だんだん腹立ってきた。先輩たちだからって絶対許せねえ。
桜乃が俺の彼女だって知っててああいう行動とってるんだから、余計タチ悪い。
あ、部長がこっち向いてニヤニヤしてる。本当にあの人怖い。
この間なんか「俺、本気だからね?今のうちに良い想い出でも作っておいた方が良いよ。あ、変なことしたら…分かってるよね?」なんて脅されたし。

ていうか、みんな少しは遠慮しろよ!桜乃は俺のだっての!
あ、でもあの人たち人のものだろうが何だろうが欲しいものは必ず手に入れる人たちだった。
これはヤバい。確実にヤバい。
まさか桜乃が俺以外の人を好きになるなんて…あるわけないよな?
ああ、神様。俺なんか悪いことした?あ、毎日遅刻してるから?授業中寝てるから?テスト赤点ばっかり取ってるから?
それ全部きちんとやるって約束しますんで、俺から桜乃を取らないでください。本当、お願いします。


「あ、赤也さん…?」
「へ?え、あ、桜乃!!」
「どうかしたんですか…?なんだか元気がないみたいなので…」


心底心配そうに俺を見上げる桜乃。
やっぱ俺の彼女は桜乃しかありえないよ。心の中でそう呟く。


「桜乃…」
「へ?赤也さ…きゃっ、」


桜乃の腕を引いて、自分の胸の中にその小さな身体を閉じ込めた。そして、その肩に顔を埋める。
桜乃は相変わらず顔を真っ赤にしていきなりの事に戸惑いながらも少し遠慮ぎみに背中に腕を回してくれた。
いつもと同じく柔らかくて抱き心地は最高。


「んー桜乃ー」
「ふふ、どうしたんですか?赤也さん」
「…好き」
「私も…好きですよ?」
「…そっか、よかった…」


ホッとした。桜乃も俺を好きでいてくれたということに。
そうだ、一番大切なことを忘れてた。
いくら敵が多かったって、桜乃の気持ちひとつで決まる。
桜乃が俺を選んでくれたってことは、俺は堂々と桜乃の隣にいても良いってことだよな。


「好きだよ、桜乃」


もう一度言うと「私もですよ」と笑いながら言ってくれた。
綺麗な笑顔をして俺のことを好きと言ってくれる桜乃はとてつもなく愛らしかった。





(愛×100でも足りない想い)




「俺らの存在忘れられてね?」
「幸村、どうする?」
「そうだね、とびっきりのお仕置き考えておくよ」








あとがき
きゆ様へ相互記念小説。
桜乃ちゃん大好きな赤也君が好きなので、ヘタレ赤也にしてみました。
ちょっとヘタレすぎたかな…。すみません…。
きゆ様これから宜しくお願いします!!

title by レイラの初恋様



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