か、か、か、可愛いー!!!
そう何度も叫びそうになった自分を抑えるのに必死だった。


今日は俺にしては頑張ってやっと恋人同士になれた桜乃との初めてのデート。
本当に俺は努力したと思う。
メルアド交換して、何度もメールや電話して、会いに行ったり……。
そしてついに!桜乃を俺の彼女にして、デートの約束をとりつけた。
俺は苦手な早起きをし、髪をセットして、服を何度もチェックして、待ち合わせ場所に向かった。

待つこと5分。
目の前に一人の女の子が現れた。


「す、すみません!ま、待ちました…?」


俺は彼女を見て、一瞬フリーズしてしまった。
あまりの可愛さに正直驚いた。
彼女は俺の恋人、竜崎桜乃だということに気づいたのは10秒後だった。


「さ、さ、桜乃か!?」
「は、はい…えっと、変…でしたか…?」


桜乃はピンク色でふんわりした感じのワンピースに可愛らしいサンダル。
髪型はいつものみつあみではなく、横結びにしていて垂れている長い髪はふわふとカールしている。
私服の桜乃は今日初めてみた。
なんかこう…どこかの国の姫って感じでいい…!
あ、やべ。鼻血出てきそう。
俺はそっと心の中でガッツポーズをした。


「桜乃…めちゃくちゃ可愛い」
「へっ!?か、かわ…///」
「うん!やっぱ俺の彼女だ!」


彼女発言をされた桜乃は恥ずかしいけど、嬉しいようなそんな気持ちになった。
一方切原はこんな可愛い彼女を見て我慢できるわけがなかったが、必死で耐えた。


「ところで、どこ行くか決まったか?」


前持って桜乃にはどこに行くか決めてほしいと言っておいた。
今日は桜乃が行きたいところに行きたかったからだ。


「あ、はい。えっと…あの…ブラブラと歩きたいんですが…ダメですか?」
「ブラブラ歩く?」
「はい…遊園地とか映画とかも良いですけど、初めては二人で喋りながら歩きたいなって…」


桜乃は少し恥ずかしそうに言った。
そこまで考えてくれていたなんて、照れくさいけど、めちゃくちゃ嬉しい。
今日は楽しいデートになりそうだ。


「よっし、行くか」
「はい!」


手を繋いで、二人で並んで歩いた。
周りからはお似合いだの、可愛いだのとそんな噂が持ち切りだった。
が、本人たちはお互いのことしか見えてなくて、そんなことは知るよりもなかった。








title by モノクロメルヘン様



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