03 | 「これ、なーんだ。」 私はにっこりと笑い、それを取りだし女の子に見せる。 「なっ!?」 「残念ながらさっきのはぜーんぶ録音済みです。あ、ついでにカメラもあるよー。」 女の子の顔がみるみる真っ青に変わる。 「ふふ、どう使おうか、これ。」 「ぁ、ぃゃ、…」 女の子は軽いパニックだ。一応自分たちが圧倒的に分が悪いことは理解できているようだ。 「ん?確か、君のお父さんって教育委員会のお偉いさん、だよね?」 女の子は顔面蒼白でガタガタと震えている。 「その娘がこんなんじゃあ、どうなるんだろうね?」 「ぁ、ぁ、ごめな、さ。」 蚊の鳴くような声で女の子が謝罪をする。 何て、つまらない茶番劇だろう。 こんなことをするくせにバレそうになったら慌て謝罪だなんて、つまらない。 まぁ所詮だかが中学生ってことか。 「まぁ、これをどうするかは今後の君たち次第だよ。」 「っ!」 この反応から見て、この子たちはもうこんなリンチまがいなことは出来ないだろう。 一気に興味が失せていく。 「こうなる覚悟がないならこんなことすんじゃねーよ。」 私の呟きに女の子がびくりっと震える。 いけない、つい口が悪くなってしまった。 「じゃあね、」 私はにっこりと彼女に笑いかけその場を後にした。 「あぁ、制服が汚れちゃってるね。」 一通り殴る蹴るされちゃったからなぁ。 廊下にある全身鏡に映った自分を見ながらそんなことを考える。 「小夜っ!」 すると、大声で名前を呼ばれる。 「あぁ、にお「誰じゃ?!」うん?」 「俺の小夜にこんなことしたのは誰じゃ?!」 「あは、大丈夫だよ。自分で始末着けたから。」 「そんなん関係ない!小夜をこんなんしたってだけで万死に値するぜよ!教えんしゃい、お前をこんなんしたんは誰じゃ?!」 このままほっておくとあの子たちが危ない気がする。まぁもう興味はないからどうでもいいけど、今後に支障が出ても困る。 めんどくさいけど、なんとかするか。 「ねぇ、今ね私ゲームをしてるの。で、私は今それを楽しんでる。これはその一貫なの。 雅治は知ってるよね? 私がこういう時に邪魔されるの大嫌いなこと。」 「、じゃけど」 「ねぇ、これは命令だよ。私の、邪魔をするな。」 少しずるいけど私がこう言えば仁王はもう何も言えないのだ。 「っ分かった。」 ほらね? back::next |