それは変化
「はじめまして、花井美羽といいます!仲良くしてもらえると嬉しいです!」

いつも通りの朝、いつも通りの教室で普段とは違った変化が起こった。
転校生がやって来たのだ。

「じゃあ花井はあそこの席な。隣は今はいないが、仁王って奴だからな。」

先生が転校生に着席を促したその刹那、彼女の目に歓喜が姿を現した。

(これはこれは!少し新しいタイプのようで。さて、どうなるのかな?)

転校生出現
容姿 上の下
性格 明るく可愛い感じ
思考 要監視


「にお、起きてる?」

「!小夜か?!起きちょるぜよ!」

次の時間をサボることに決めた私は屋上に来ていた。予想通り仁王がいる。彼は次もサボる気のようだ。

「こっち来んしゃい。」

仁王が私の腕をひき自分の足の上に乗せ後ろから抱き締めた。

「ふふ、どーしたの?」

「…眠い。」

「相変わらず低血圧の上に、不眠症なの?」

独特の方言が抜け、目がとろんとして今にも寝そうな状況な仁王。寝かせてあげたいのはやまやまだが、少し話したいことがあるので会話を続ける。

「…小夜が、小夜がここにおってくれたら治るんじゃ。」

ぎぅっと腰に回されている腕の力が強まった。相変わらずの依存具合なことで。くすり、笑いが漏れる。

「ふふふ、そう。
あ、そうだ。君の隣に転校生が来たんだよ?結構可愛い女の子。」

「…ふぅん。」

結構なニュースだと思ったがたいした反応を見せない仁王に少し拗ねてみる。

「反応薄いよ。可愛い子なのに。」

「別に小夜がおったらそれでええ。それに女は嫌い、じゃ。
どうでもええからはよう寝よ?」

こてん、と眠そうな顔で首を傾げる仁王。少しきゅんと来てしまった私は取り敢えず、彼に身を任せた。

(さて、今回はまず様子見に徹しようかな?変化が大きく大きく育つまで……。)

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