02
「じゃあ暇な日の放課後メールして。図書館かどっかでみっっっちり教えてあげるから。」

「っす!(なんか寒気が…)」

赤也のハイテンションにのんびりしに来たはずが疲れてしまった。言葉に多少苛立ちもでるってんだ。

「先輩どっか行くんすか?まだ授業終わんないっすよ?」

「あぁ、ちょっと忘れ物を取りにね。じゃあね、赤也気をつけて。」

「?」

私の忠告の意味が分からなかったのか赤也は頭の上な?マークを浮かべたまま私を見送った。







―切原!またお前か!!今度は許さんぞ!!反省文10枚だ!!―

―ちょっ先生!!それは勘弁してくれよぉ!!無理だって!!―

―それが人に物を頼む言葉遣いかこのバカ!!―

―いってー!!―



屋上から出て少しして、やっぱり先生がきたらしい。

(そりゃあんだけ大声だせばバレるって。でも赤也って運が悪いなぁ。よりにもよってコバセンに捕まるなんて。)

コバセンと言うのは我が校きっての熱血漢である生徒指導の体育教師だ。(因みに風紀委員の顧問で真田と仲がいいらしい。)あの先生は熱血漢のわりに頭がキレるため怒らせると面倒くさいのだ。

(え?何で教えなかったのかって?あぁ、そういえばそうしてあげれば良かったね!私疲れたからそんなところまで気がまわらなかったなぁ!)


心の中で赤也に合掌しながらも私は目当てのものがある教室へ向かった。












―ガラララ

「えっとー…確かここだったはずだけどな―……あ!あった!」

私が手に取ったのは―……。


「くーちゃん!」

授業が終わったらしい教室に行き、くーちゃんに話しかける。

「小夜ちゃんだぁ!どうしたの?わざわざ来てくれるなんて珍しいね!」

私が声をかけるとパッと顔を明るくするくーちゃん。うん、相変わらず可愛い。

「くーちゃんにプレゼントがあるんだ!とーっても素敵なやつ!」

「!、ほんと?嬉しいなぁ!」

くーちゃんは何かを感じてくれたらしい。彼女の空気を読む力は半端じゃない。

「はい、これ。家に帰ってから開けてね!目の前で開けられると何だか恥ずかしいから。」

「ふふ、小夜ちゃん可愛いー!もちろんだよ!」

そういう君が可愛いよ、うん。

「じゃあ次の授業始まるから私行くね。」

「うん、わざわざありがとねー!」

手をブンブン振るくーちゃんに引き返したい衝動が湧いたけど何とか我慢して教室に戻った。
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