01-01  


この世界に来て1年がたった。なんだかんだこの世界に馴染んだ自分がいる。1年という時間は、正直実年齢28の私からすればそれは自分の状況を受け入れるには十分すぎる時間だった。
ついでに今は戦国乱戦だということも知った。少し私の知識のとは違うようだが。(織田信長に豊臣秀吉が仕えていなかったり、伊達政宗がいたり。)

それに幸い、神様(仮)のくれた薬の知識と医者としての知識のお陰で生活には苦労していない。というかむしろ楽している。
お客さんは私を小さい頃から知っている人たくさんいて、とても私は可愛がって貰っているのだ。

「あ、傷薬きれたんだよなー。今のうちに作っちゃお。」

そういえば、何のオプションかは知らないが家の裏庭には数十種類の薬草が年中揃っている。しかも、摘んでも次の日には元通りという怪奇現象つきである。

薬草を摘み、汚れを落としに行くついでに洗濯もしようと井戸ではなく近くの川に向かった。

「?これは、血の匂い?」

医者であったせいか、匂いに敏感な私の鼻が嗅ぎなれた匂いを感じた。匂いの濃さからしてすぐ側のようだ。変に好奇心が働いた私は匂いのもとを探してみた。



「………あの、生きてます?」

▼へんじ が ない ただの しかばね の ようだ
…………ではなくて!
血を沢山垂れ流して倒れている人を発見した。とりあえず端くれながらも医者として見捨てる訳にもいかなかったので、連れて帰って手当てをすることに決めた。


?? side

旦那に偵察を頼まれた帰り、俺様は不運にもあの伝説の忍、風魔小太郎に遭遇した。

「あはー、ついてないっく!」

さすが風の悪魔と言われるだけあり速さがそこら辺の忍とは段違いだ。

なんとか隙を見計らい逃げ出そうとしたとき、さすがの俺様も風魔の相手にいっぱいいっぱいで気づいていなかった。こちらに向く黒光りするものに。

逃げ出そうとしたその瞬間、爆音が響く。

「っぐ!」
(くそ、種子島か…!)

ずきずきと激しい痛みが肩を襲ったが、無我夢中でその場を離れる。

なんとか撒けたものの、風魔との戦闘によりできた切り傷や、種子島を受けた傷から血が絶え間なく流れだし地面を赤く染める。

「や、ば………」

そこで意識は途切れた。
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