06-03
「!知ってたんですか?」
「前夜中に目覚まそうと思って顔洗いに行ったときに…。追い付いてない薬とかを夜中に作ってくれてるんすよね?」
「…はい、まぁ一応。」
そう、私は秀信さんがまだ作れない類いの薬や消耗の激しい薬を夜中に作り置いていたのだ。
「…………。」
「…………。」
「「………ぷっ。あははは!」」
二人で顔を見合わせてから同時に吹き出した。
「ふふ、私たちなにお互いに徹夜の指摘してるんでしょうね。」
「あはは、そっすよね!なんかちょーおもしれー。」
2人で一通り笑い尽くした後、今日と明日はお互いちゃんと寝るという約束をしてから勉強会はお開きになった。
夜中、夕飯をいただいて部屋でまったりしていると、襖から声がした。
「遥奈、起きてっか?」
「あ、はい!どうぞ!」
そう声を返すと元親さんが入ってきた。
「夜中に悪りぃな。」
「いえいえー。どうせゴロゴロしてただけなんで(笑)
で、どうしたんですか?」
わざわざ私の部屋まで来たんだ、きっと何か理由があるんだろう。
「あー…。あ、そうだ。秀信はどうだ?あいついけそうか?」
「はい、とっても一生懸命聞いてくださって覚えもいいので予想以上に順調ですよ!」
私がそう答えると、元親さんはにかっと笑う。
「そりゃー良かった。」
「あ、そういえばすいません。休みなんかもらってしまって…。」
「いや、どうせ秀信の為だろ?あいつ放っとくと無理する奴だからなぁ。」
そう言った元親さんの目には先ほど秀信さんが元親さんのことを言った時と同じ光を灯していた。
「…元親さんの部下さんたちは皆幸せですね。」
「は…?」
私の唐突な台詞に意味がわからないと言う顔をする元親さん。
「ふふ、だって元親さん秀信さんのことを話すとき凄く優しい目をしてます。それって大切な仲間だからでしょ?だからそんなに大切に思って貰える何て幸せだなぁ、と思って。」
「っ///おまっ!そういうことさらっと言うなよ!」
「?何がですか?」「だからっ」
「??」
「…はぁ、もういい。お前はそういう奴だよな…。」
何だか疲れた顔をする元親さん。そういう奴ってなんか失礼だなおい。結局この人は何が言いたいんだ…。
「あーまぁ、その、なんだ。いいやつってこった。」
私から出た負のオーラに気がついたのか言葉を濁した元親さん。
「そうですかー。」
何だか納得のいかない私はじと目で彼を見つめる。
「なっなんだよその目は?!」
「別に何でもありませーん。」
「嘘つけ!ぜってー何かあるだろ!……はぁ、まぁ、あれだ、俺が本当に言いたかったことはだな、」
何だか急に歯切れが悪くなった。頭をガシガシと掻きながら少し照れているようにも見える。
「あーその、な?お前も明日休み、だろ?」
「まぁ、一応そうですね。」
「で、だ!その、あ、案内してやっから城下町にでも行かねぇか?」
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