06-02  


「ふー、何とか数種類は完璧に作れるようになりましたね。」

あれから幾日かが過ぎ、秀信さんに徹底的に仕込み何とか日常にいるもの程度は空で作れるまでになった。

「遥奈さんの教え方が上手いからっすよ!」
「もーお世辞言っても厳しさは緩めませんからね?」
「そ、そんなんじゃないっすよっ!」

長く時間を共有しているせいか、ここでは1番秀信さんと打ち解けたと思う。

「さ、からかうのもこれぐらいにしといて、秀信に朗報です!」
「からかってたんすか!?」

近くから聞こえる声はとりあえず無視で話を続ける。

「実は予定より進行具合が良いので、明日1日は休暇にします!いえーい!」

そうなのだ、秀信さんは私がこちらに来てから働きづめでおまけに夜中も勉学に励んでいるらしい。そのおかげか、当初私が予定していた進行具合より大分はやい。だから、少しは彼を休ませてあげようと計画したのだ。

「えっでも時間が…」
「秀信さん!」
「は、はい!」
「確かに時間は少ないです。でもあなた私が来た日から夜中ろくに寝てないでしょう?!疲れが溜まれば効率は逆に悪くなりますしただの悪循環です!元親さんにも許可は頂きましたし明日はきちんと休んでください!」
「…………。」

返事が帰ってこない。

「い い で す ね ?」
「っは、はいぃ!」

やだ、秀信さんったら顔を真っ青にして、何か怖かったのかしら?


「それにしても、秀信さんって努力家ですよねぇ…。」
「へ?」

私の言葉にぽかんと間抜け顔になる。

「こんな年下の小娘の言ってること文句も言わずに聞いてくれるし、それに夜中もずっと勉強してるでしょ?」
「それは…」

私がこっちに来てずっと思ってたことだ。女性の地位が全く確立されていないこの時代。そんな時代でしかも年下の女に教えられて普通は嫌なんじゃないだろうか?

「…最初はそりゃびっくりした。でも日々を過ごしていくうちに遥奈さんの凄さとか優しさとか理解できたし、そして何より…―兄貴が信頼してたから。」

秀信さんは私の目をしっかり見て言い切った。

「だから、不安なんて感じなくていいんすよ。」
「、ありがとうございます。」
「それに―…夜中寝てないのは遥奈さんも一緒しゃないですか。」
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