05-03  


「あ?どうした?」
「あの、確か薬師のお弟子さんならいるんですよね?」
「あ、あぁ。まだ薬師なんて呼べる腕にはほど遠いが、」
「1ヶ月じゃだめですか?。」
「は?」
「さすがに四国に住むことはできませんが、少しの間なら大丈夫なはずです。ですから、1ヶ月で私がそのお弟子さんを薬師の名を名乗れるぐらいにします。それじゃ、だめですか?」
「………。」

やっぱりだめだろうか。まぁこんな小娘の言うことを信用しろと言うほうがおかしい、か。

「いいのか?」
「えっ、元親さんはそれでもいいんですか?」
「そりゃあいいに決まってる!けどお前1ヶ月も店空けて大丈夫なのか?」
「たぶん。ま、慶次さんに少し働いて貰いますけど。」
「俺っ!?」

私たちの会話を眺めていた慶次が急に話を振られてすっとんきょうな声をだした。

「もちろん。慶次さんのお願いを聞き入れるんですから、当たり前でしょ?それにどうせ暇でしょ?」

そう言って慶次さんをじと目で見つめ続けるとついに向こうがおれた。

「………分かったよ。働くよ!働きます!」
「………。あっはっはっ!」私たちのやり取りを眺めていた元親さんが急に笑い出す。

「お前、やっぱおもしれぇな!俺の目に狂いはなかったみてぇだ!」

「なんだよ元親!紹介したのは俺だろ!
で遥奈、俺は何すればいいんだい?」

「確か慶次さんって謙信さんと仲良かったですよね?」

「あぁ、茶飲み友達だからさ!」

「じゃあ、あと真田幸村さんか猿飛佐助さん知ってますか?」

「もちろん!たまに遊びに行ってるよ!って何でこんなこと聞くんだい?」

「一応うちの常連さん?なんです。このお二方だけ少し約束していることがあるので、今から書く文を届けてくださいますか?」

「………。」

話をすると慶次さんと元親さんが黙り込んだ。

「不思議な娘だとは思ってたけど……」

なんだか少し呆れを含んだ目線が2つ私に寄越された。

「なんですか?まぁとにかく今から書いてくるんでおねがいしますね!」
そういうと私は奥に引っ込んだ。




「ほんっと、不思議な娘だね。遥奈ちゃん!幸村のとこの忍君はまだしもその主の幸村やその上謙信とまで知り合いなんて…」

彼女が部屋を出ていくと慶次がきりだした。
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