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ざわざわ

「これから第xx回立海大付属中学校入学式を始めます」

遂に中学校の入学式が始まった。ざわざわとしていた体育館内が静寂に包まれ淡々と式が過ぎていく。

「新入生代表苗字 名前」
「はい」

ついつい昔の感覚でテストを解いてしまい、この間失敗したと凄く後悔した。けれどなってしまったものはしょうがない。さっさと終わらせてしまおう。

「校庭の木々にも青葉が繁りー………………………新入生代表 苗字 名前」

最後に顔を上げて前をみすえ、それから階段を降り席に戻る。
何故か視線をいくつか感じるが、全力で無視して何とか入学式を乗りきった。



教室に入ると隣の席の子に話し掛けられた。おそらく感じた視線の正体その1だろう。

「あ、あのさ!さっき代表で挨拶してた子だよね?」
「うん、そうだよ?」
「俺、幸村精市っていうんだ!名前って呼んでもっじゃなくて、お、俺と友達になってくれないかな?」
(何でこんなに緊張してるんだ)
「勿論いいよ。っていうか私でいいなら喜んで」
「いやいやいや、苗字さんがいいんだっ!」
「ふふっ、そんなに必死にならなくても」
「あっ、」
「名前」
「え?」

「名前、名前でいいよ。だって友達でしょう?」
「うっうん!」


これまでの私の罪だろうか。たまに私が吐いている言葉は偽りなのか本当なのか分からなくなる



変わらない、変われない
(それは私への戒めなのでしょうか)
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