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切原 視点
今日俺は立海大付属中学のオープンスクールに来ていた。常勝と言われるここでてっぺんをとるんだ、と意気込んで見学に来たものの中学という雰囲気と私立ならではのでかさに俺は緊張で入るに入れなかった。
しかしそんな俺を助けてくれたのは天使みたいな人だった。
声をかけられて焦ってしまったがなんと!この人が案内してくれるらしい。テンションが上がった俺は俺の目標をつい口走ってしまった。
(やっばい。俺この人に否定されたらなんか無理な気がする)
自分の短絡さを恨んでいると、名前さんから帰ってきた言葉は想像していたものとは正反対のものだった。
「ふふ、頑張って。君がそれに努力を惜しまなければきっと叶うよ。」
柔らかな笑顔と共に言われたはじめての肯定的な言葉に俺は名前さんに抱き着いてガキみたいに泣いた。
でも名前さんは何も言わず、俺が落ち着くまでずっと俺の頭を優しく撫でてくれた。それから名前さんがテニスコートまで連れていってくれる途中、俺は自分の気持ちを彼女に伝えた。まだこの学校に入ってもいないのに。でも今伝えておきたかったんだ。
伝え終わると、彼女は優しく微笑んで
「、うん。見てる、見てるよ。応援してる。頑張ってね」
って言ってくれたんだ。
立海からの帰り道、テニス部は確かに強かった。俺負けるなって思った人もいた。でも名前さんが応援してくれたら、なんだか大丈夫な気がした。
(べっ勉強も!頭わりぃけど教えてもらう約束したし!)
俺は頭のなかで彼女のあの優しげな微笑みをなんどもなんども繰り返していた。
「あ゛っ!学年聞いてねぇ!!」
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