セクハラですよ、ジャーファルさん | ナノ



「ヤムライハぁ〜」
「ちょっと、リノ飲みすぎじゃない?」
「ぜぇんぜん!えへへ〜!」

もう最近対処できないことだらけで、まぁ主にジャーファルさんのことなんだけど。これは飲むしかない、と私はいつもより早いペースでお酒を飲んでいた。

「何かあったの?いつもこんなに飲まないじゃない。」
「うぅ、ヤムぅ、ぐす、うわぁあん!」
「ちょっと泣かないでよ。本当にどうしたの?」

お酒が入り過ぎて感情が上手く制御できない。ヤムライハが焦っているけれど、気にする余裕はない。

「どうしたんだ?リノが酔うなんて珍しいじゃないか。」
「あ、ヒナホホ。」
「うわぁあん!ヒナホホぉー!」
「はは、泣け泣け!」
「ちょっとヒナホホ、あんまり煽らないでよ!」
「うわぁあああん!ぅぐすっ、うう〜!」

ヒナホホに抱きつけばヒナホホの大きい手が優しく頭を撫でてくれるので更に涙が溢れる。お父さんだ、お父さん。

「もう、一体どうしたの?」
「ぐすっ、私が聞きたいよぉおお!」
「はぁ?」

ジャーファルさんは何なの?あんな人畜無害そうな顔しといて実はセクハラ魔神なの?もー分かんない!

次から次へとお酒を煽る。

「うぅう〜、ひっく、ぐすっ」

あ〜、何か、飲みすぎたかもしれない。でもなんかいい気分、だぁ………













「ん?あれぇ〜…どこぉ?」

目を覚ますとふかふかしたベッドの上だった。あれぇ?なんだかふわふわする。もしかして、夢かなぁ?

「リノ、」
「む、ジャーファルさんらぁ…。」
「泣いていたんですか?」

目元を少し冷たい指が滑る。なんだか夢なのにリアルだなぁ…。

「ジャーファルしゃんの、せーなんですからぁ…!」
「!それはすみません、けれどそんなに泣かないでください、理性が保たなくなる。」
「またそうやって、私のことからかってぇ」
「は?」
「遊びならやめてくださいよぉ!」

夢だからが思っていたことがするすると口から出る。

「リノ、貴女勘違いをして、」
「私、かんちがい、しちゃいますよ…?」
「、」
「ジャーファルしゃんが、わたしのこと、すき、なのか、んむ!?」

言葉が何かに吸い込まれた。唇に感じる柔らかい熱。うわぁ、私、ジャーファルさんにキス、されてる。夢ながらなんか恥ずかしい。

「んん、ふぅ、…ぁ、」
「、ふ……」

けれど唇を割って入ってくる舌に必死に自分の舌を絡める。夢なら私も大胆だ。

「ん、はぁ、」
「、勘違い、してください、リノ。私は貴女のことが……ん?」
「すー…すー…」
「…………………まじですか、」

そこで私の意識は再び途切れた。だからこれが現実で、眠ってしまった私にジャーファルさんが頭を抱えていたなんて知る由もなかった。






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