星に願う
運命の音
ソロモンの姫が今、解き放たれた。「マギ」よ、「ジン」よ、そして「ルフ」よ。世界は再び激動の時を迎えた。
さあ、誰が王となる?*
「ん?」
「いかがいたした、神官殿?」
「、なんか変な声が聞こえた。……“ソロモンの姫”?」
「!」
「(それに、この懐かしいような、変な感覚はなんなんだ…?)」
「神官殿。本当に、本当に!“ソロモンの姫”と聞いたのですな?」
「あ?だからそう言ってんだろ?うっぜぇな。」
「おぉ!ついに……!」
「(“ソロモンの姫”、ねぇ……。)」
*
「!」
「おい、アラジン。どうした?」
「いや、今声が聞こえたんだ。」
「…やっぱお前疲れてる?もうちょい休むか?」
「幻聴なんかじゃないんだよ!……何だか胸がぽかぽかするねぇ。」
「?よくわかんねぇけど、疲れたら言えよ!」
「大丈夫さ!さぁ、早く迷宮を攻略しようじゃないか!」
「おう!」
*
“やはりそちらを選択なされたのですね、姫。”
真っ白な部屋で男はぽつりとそう呟いた。その顔に浮かぶ感情は果たして悲哀なのか歓喜なのか。
“しかし、その選択は恐らく…――いや、それすらも彼女を愛した「運命」による導きなのか。”
そこで男はまるで神へ祈るように目を閉じた。部屋に暖かな光が射し込んだため、彼の額の刻印が光を浴びて煌めく。
“「姫」よ。せめて今だけでも、安寧の時が貴女に訪れんことを。”
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