星に願う

受容に融ける


「あ、いたいた、ユナ!」
「ヤムライハ?どうしたの?」
「あのね、ユナもだいぶ魔法の扱いが上達したでしょ?だから王が次南海生物出たらユナに退治頼むって。」
「私が?」
「えぇ。国民へのお披露目みたいなものも兼ねてるらしいわ。」
「うわぁ、目立ちそうだね…」

私のその一言にヤムライハが予想通りだわ、と声をあげて笑う。

「相変わらず目立つの嫌いね!」
「だってなんか緊張するんだもん〜…」
「大丈夫よ!貴女は強いもの。この私が言うんだから間違いないわ!頑張りなさい!」
「ん、まぁ、頑張るけど…」

いまいち乗り気でない私にヤムライハはまた声を上げて笑った。
でもこの国に食客としてお世話になっているんだから、それくらいは仕事しないとバチが当たるよね。






















とはいえ、やっぱり目立ちたくないものは目立ちたくないのです。(だから目立つのが好きなシャルルカンが本当に理解できないよ。)

「うぅ…」
「ユナ―!さっさとやっつけなさい!」

目の前には南海生物、遠巻きには沢山の人、そしてヤムライハからの激励。やだ、私ってばモテモテ!なーんてポジティブになれたらどれだけ楽だろう。

「はぁ……よし、」
まぁでもこのまま視線を集め続けるよりかはさっさとやってしまおう。うん、それがいい。

「力、貸してね。風斬円舞―ウインドワルツ―!」

以前のように巨大な風の刃を出し、アバレウツボを解体した。ヤムライハの指導のお陰で以前よりコントロールも効くし、威力も集積できるようになった。解体までしたのはこのあと謝肉祭をするらしいので私なりの配慮だ。よし、倒したことだしすぐ逃げ……。

「この間ピスティ様とシャルルカン様と買い物していたお方だわ!」
「やっぱり強い方だったのね!」
「しかも、美しいぞ!」
「何でもヤムライハ様の弟子だとか!」


られたら良かったなぁ。あっという間に囲まれてしまった。

「あれ?この間、女の子を助けてくれた方じゃないか?!」
「あぁ!そういえばあの時の!」
「なんと優しい!シンドリアの女神様だな!」
「女神様!」
「ぇ、あの、ちょっ、ちが!」

私の否定の声も届かず、なんだか女神様認定されてしまった。すごく恥ずかしいからやめて欲しい。私が女神様とかもう女神様に失礼過ぎる。恥ずかしいやらなんやらで顔から火が出そうです。

「はっはっはっ!ユナは人気者だなぁ!」
「シン、ユナなんかうちひしがれてないすか?」
「ん?気のせいだろう!ほら、謝肉祭の準備にかかろう!」

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