星に願う
青痣にキス
「うわぁああ!やっぱり無理ぃ」
「あ、こら!」
顔を上げれば少し驚いたような二人の顔が目に入った。やっぱり恥ずかしくて私はもう一度シャルルカンの後ろへと隠れた。ピスティの咎めるような声なんて聞こえないからね!身を小さくしていると、つんつんとつつかれた。
「ユナ、似合ってるすよ」
振り向けば、マスルールがいつもの無表情を少し柔らかくしてそう言ってくれた。恥ずかしさが少し薄れたような気がする。
「マスルール……ありがと」
「まぁ、先輩は照れてるみたいですけど。」
「あぁ!?てめ、もっと先輩敬え!」
しかしマスルールのその言葉にシャルルカンが彼に掴みかかり私の隠れる場所が無くなった。おろおろとしていると、今度はジャーファルさんがやってきた。
「少し驚きましたが似合っていますよ、ユナ」
「ジャーファルさんも…ありがとうございます。」
やっぱり恥ずかしさは抜けないけど褒められると悪い気はしないのだから案外自分も現金だと苦笑いをくずす。それに気付いたのかピスティがにやにやしている。
「よし、じゃあ次は王の所だよ!」
「「え」」
私とジャーファルさんの声がかぶった。なんでだ。
「駄目ですよ!今のユナをシンに見せるわけには…!」
「こんなに可愛くしたんだから王に見せなきゃ勿体ないじゃん!」
「呼んだか?」
「っシン!?貴方仕事はどうしたんですか!?」
噂をすれば影とはまさにこのことなのか、ひょいっとシンが現れた。ジャーファルさんがまた仕事をサボっているのかと頭を抱えている。しかし当の本人は気にせず笑っている。
「なあに、息抜きも必要だろう!」
「王、ちょうどいいところに!ね、見て見て可愛いでしょ!?」
テンションの上がったピスティにシンの前にずいっと出された。
「!見違えたな、可愛いじゃないか!」
「あ、ありがとうございます…」
「はい、もういいでしょう。さっさと仕事に戻りますよ。」
「あ、おい!もう少しいいじゃないか、ジャーファル!」
今きたばかりにも関わらず、シンがジャーファルさんに引き摺られていった。
「うふふ〜」
「?ピスティ、なににやにやしてるの?」
「ん?シャルルカンはともかくジャーファルさんは意外だなぁと思って!」
「二人がどうかしたの?」
「ふふ、何でもない!」
二人を見送っているとピスティがにやにやとしながら私を見ていたので聞いてみると、意味の分からない返事が返ってきた。
「さ、シャルルカン!荷物こっちまで運んで!」
「おー」
「あ、ユナは今日1日その格好でいてね!」
「え」
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