溶けるアイ


「ねぇねぇかったん。」
「あ?なんや?」
「あのね、あのね!」
「おん。(かわええ…)」
「アイスが食べたいと思いませんか?」
「……お前な、外見てみ。」

かったんがそう言うので視線を向けて窓の外を見る。白い結晶がはらりはらりと舞っている。

「うん、見た。じゃあアイス買いにいこっいったー!」
「うん、見た。とちゃうわこのアホ!お前!今!雪が!降ってんねんぞ!」
「それくらい私だって見たから分かってるよ!だからって何で殴るの!」

しかも!グーで!普通彼女をグーで殴る!?
私はずきずきと痛む頭を撫でながらかったんに文句をたれる。

「お前がアイス食いたいなんて言うからやろ!ふざけんな!今0度やぞ!0度!」
「アイスに気温なんて関係ないし!ねぇ買いに行こうよー。寒いからかったん車だして!お願い!」
「アホかお前!前から思っとったけど、どんだけアイス好きやねん!?」
「だってアイス美味しいんだもん…」
「(あぁもう!アヒル口かわええなおい。)……はぁ、分かったわ。」
「やったー!流石かったん!大好き!愛してる!」
「なっ?!おま、急にそんなん言いなや!」
「あれ、かったん照れてる?照れてる?」

黒髪から覗く耳がほんのりと赤く染まっているのが見えたので、私はにやにやしながらかったんに抱きついた。

「うっざ!お前うっざ!」
「うわぁかったん照れてるー!かわいー!」
「っ連れてけへんぞ!」
「あー嘘嘘!愛してるからそんなこといわないで!」
「っもうええから、行くで!上着とってきい。(あぁああ!かわええかわええかわええかわええ)」
「はーい!」

上着を取ってから未だに耳が赤いかったんの後ろを追う。なんやかんやかったんは私の言うことを最終的に聞いてくれるし優しいんだよなぁ。ぐいと照れ隠しのように握られた手を見ながらそんなことを思う。

「んふふ。」

そんな大好きな彼にはコンビニでガリガリくんでもおごってあげようか!



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しれっと実話。いやガリガリくんは奢らなかったけどね。

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