融解する脳 君の首を締める夢を見た 「…―しき、人識」 「!、あ…」 「魘されてたけど大丈夫?」 「……あぁ、わり、大丈夫だ。」 何だか凄く気分の悪い夢を見ていた気がする。でも、その夢を俺は客観的に見ていて、ほんとはそれを望んでるんじゃないか、なんて漠然と――… 「人識!」 「っ」 「もーどうしたの、なんか今日変だよ?風邪でもひいたの?」 さらりと前髪が持ち上げられこつん、と名前のおでこが俺のおでこにあてられる。 「んー熱は無いかな?」 名前の細く白い首筋が視界に入る。 光の溢れる昼下がり君の あぁ、そうだ 俺が見ていたのは、こいつを、 す夢だ。 だって、俺は零崎だから。 いつか無意識にこいつを すぐらいなら、いっそのこと意識があるうちに、俺を映すこいつの目を覚えていられるうちに。 「名前、」 「何?」 「好きだ、」 したいくらい愛してる。 「何それ……っぇ?」 いつものように笑う名前に俺は、手の中に鈍く光るそれを降り下ろした。 細い喉が跳ねるのを 泣き出しそうな眼で見ていた 融解する脳 (あぁ、いっそのこと融けてお前とひとつになりたいよ。)(そうすれば、こんな俺でも、救われる気がするんだ。) |