君と僕の関係 | ナノ

「んー何にしよう。」

自動販売機の前で、私は悩んでいた。ファンタでもいいけど、ミルクティーも飲みたい気がする。うー迷う…!

「あれ、真白か?」

「!宮地先輩、こんにちは!」

立ち尽くしていると、宮地先輩がやって来た。手当てをした日から何だか宮地先輩がよく話しかけてきてくれる。そのお陰か始めにあった苦手意識も大分薄れた。

「何、お前も自販機?」

「はい!先輩もですか?」

「ん。お前何飲むの?」

「んー…ミルクティーです。」

自動販売機と見つめ合うこと10秒、ファンタよりもミルクティーが私に飲んで欲しそうだったので、ミルクティーにすることに決めた。

先輩は私の言葉を聞くと、自動販売機にお金を入れミルクティーのボタンを押した。
んん?ミルクティー?

「ほら」

「へ、いやいや、奢ってもらうなんて悪いです!」

私は慌てて財布から小銭を出そうとしたが、先輩に止められる。

「この前のお礼と頑張ってるご褒美だ。受け取っとけ、これぐらい。」

「う、でも…」

「あーもう!受け取らなきゃ轢くぞ木村の軽トラで!」

「い、頂きますぅ!」

「最初からそうしとけ。」

そう言って満足そうに笑った先輩は自分の分の飲み物を買うと踵を返した。

「せ、先輩!ありがとうございます!」

「んー」

お礼を言って無いことに気づいた私が慌てて先輩の背中に向かってお礼を言うと、先輩は手をひらひらと振った。

と、年上って、何か大人だ…大事に飲まなきゃ、このミルクティー。


私が教室に帰ってミルクティーを大事に飲んでいると、高尾がやってきた。(ちなみに私の友達は図書室に行った。)

「なーに、ミルクティーなんかちびちび飲んでんの。」

「ちょ、なんかとか言っちゃバチ当たるよ!」

「はぁ?」

「なんてったって宮地先輩が奢ってくれたミルクティーなんだから!」

「へー宮地さんが……ってマジでぇ?!」

びっくりする高尾。うん、私も奢ってもらったときはちょーびっくりした、分かるよその気持ち。

「まじまじまー」

「んだよ、それ…じゃなくて、真白ちゃんあの宮地さんと仲良いの?」

「んーたぶん。なんか思ってたより優しくてびっくりした。」

「や、優しい…?!」

高尾がこの世のものをみる目とは思えないような目で私を見る。失礼だぞ!

「優しいよ、うん。ちょっと怖いけど。」

「え、それ幻覚じゃね?」

「いやいやならこのミルクティーも幻覚になっちゃいますよ高尾さん」

「…マジ宮地さんが奢ってくれたの?」

「うん。マジ宮地先輩が奢ってくれた。」

「っありえねー。真白ちゃん一体なにしたの?」

「何って…怪我の手当て?」

「絶対それ意外に何かしたっしょ!ほら、高尾君に教えなさい。」

「なにそのキャラ。ていうか本当にそれだけだよ!」

「いいや、絶対ない!白状しろ!」

「だから、本当にそれだけだって!」

それから1日高尾はずっと聞いてきて、何かうざかった。
何であんなにしつこいんだ、高尾!

まぁ、みーちゃんのラッキーアイテム投げたからすっきりしたけど。

(!俺のたぬ太郎(狸の置物)がっ!)(ぶはっ真ちゃんったぬ太郎って…!ぎゃははははっ)(ふぅ、すっきりした!)

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