君と僕の関係 | ナノ

ついに入部の日がやってきた。見学の時にいた人数よりは少ないものの、結構な人数が入部するようだ。

ちらり、と自己紹介をしている人を見る。

「帝光中出身、緑間真太郎です。よろしくお願いします。」

真面目な顔をしてる癖に相変わらずラッキーアイテム持ってるとか、変わらないなぁ。高尾が吹き出したくてぷるぷるしてるよ。


「次、女の子頼む。」

ぼーっとしてると話しをふられた。

「マネージャー希望の桐原真白です。帝光中出身です。」

やっぱり中学名をいうとざわりとなった。

「中学もマネージャーを?」

「あ、一応。」

「桐原…真白?…!おい、誰か部室にあった雑誌持ってこい!」

「げ…!」

嫌な予感しかしないんだけど…。

「あった。
『キセキを支えた隠れた才能たち』」

うわ、さ い あ く だ!

「『キセキも一目置くマネージャー』?!」

「や、それ皆が悪のりしただけなんで…」

そう、あれはきーちゃんがインタビュー中に調子にのって私を褒めたのを皮切りに、あっくんや征ちゃんや敦くんがわざと私を褒めたのだ。今でもあの征ちゃんの意地悪そうな含み笑いを私は忘れないよ…!
だからそんな目で見ないで!

「ついに、長続きしそうなマネージャーが!」

「花が!」

「ここまで長かった…!」

なんか勝手に盛り上がってるんだけど…。
なんか憂鬱だ。高尾は相変わらずにやにやしててムカつくし、みーちゃんは何か哀れんだような視線を寄越してきた。ちくしょう、私がなにしたって言うんだ…!


「お前も秀徳だったんだな。」

「わ!びっくりした。みーちゃんか。」

急に声を掛けられ、つい声をあげてしまった。振り返るとみーちゃんが眼鏡を押し上げていた。

「てっきりお前は洛山か桐皇かと思っていたのだよ。」

「あぁ、誘われはしたんだけどね、」

特に赤司とさつきには断るのが申し訳なくなるくらい何度となく誘われた。まぁ断り続けたんだけどね。

「まだ、気にしているのか。」

「そういうわけじゃないよ。」

ただ、自分だけ過去のことを無かったことにしてバスケのために学校を選んで進学するなんて、する気にはなれなかったから。

「、そうか。まぁまたよろしく頼むのだよ。」

「!」

「何を驚いているんだ。」

「いや、みーちゃんがそんなこと言うなんて…!」

あの、ツンツンツンツンデレなみーちゃんが、デレた…!
きっときーちゃんがここにいれば目を見開いてから「熱でもあるんスか?!」と騒いで殴られているだろう。

「失礼な奴なのだよ。」

呆れたようにため息を吐いたみーちゃんは相変わらず不器用に、優しい。

「あはは、冗談だよ。よろしくね!」

「まったくお前は…。」

この学校ではどんなチームが出来上がるのだろうか。できることなら、過去のようにはならないでほしいなんて、私には願う資格すらないんだけどね。

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