「桐原さんは何の部活入んの?」
「あ、名字って何か変な感じだから、名前でいいよ。」
「ん?あぁ、じゃあ真白ちゃんで。」
「ありがと。で、部活だっけ?高尾は何入るの?」
名前にちゃんづけとかなんだか高校生らしいな、とかおばさんみたいなことを考えてしまった。
「俺はバスケ部!」
「バスケかぁ。何かぽいね、高尾ってバスケ少年な感じするわー。」
「適当だな、おい。 で真白ちゃんは?」
「そだなぁ、んー中学と一緒っていうのもなー。」
「中学の時は何してたの?」
「あぁ、」
バスケ部のマネージャーだよ。と高尾に返そうとしたところで先生が入ってきたので高尾は席に戻った(と言っても私の前の席だから体を回転させただけだけど)。どうやらこれから1人1人自己紹介をするらしい。
「とりあえず名前と出身中、あとは何か自己アピールでもしてけー。まず端のお前からな。」
何だか緩い先生だ。皆が続々と自己紹介をしていくのをぼーっと見てるといつの間にか高尾が喋っていた。
「はい、次ー」
「えーと、帝光中出身桐原真白です。仲良くしてくれると嬉しいです。」
愛想笑いを浮かべながら自己紹介をしていると、帝光中出身と言ったところで高尾が少し目を見開いたのが分かった。やっぱりバスケ経験者だからかな。
「真白ちゃんって帝光中だったの?!」
「うん、そだよ。」
「まじか、てかさっき聞きそびれちまったけど部活何やってたの?」
「マネージャーだよ。」
「何の?」
「え?バスケ部だけど。」
そう口にすれば高尾がさっきよりも驚いたのが分かった。そんなに驚くことなのかな?やっぱりキセキがいた世代は違うからだろうか。
「は?まじで?!」
「何で嘘つくのさ」
あまりの驚きように笑っちゃいそうなんだけど。
「え、じゃあまたマネージャーやろうぜ!」
「は?」
「確かキセキの世代が1人入ってくるらしいし、どうせなら真白ちゃんもさ!」
「ん〜、…………じゃあ、やろっかな。何かせっかく誘ってもらったし、」
「お、まじ?!じゃあ今日部活見学行こうぜ!」
「こんな早くから?」
「もっちろん!つーか寧ろ俺もう入部届けだすし。」
「はやっ!」
ニコニコと笑顔な高尾はそれだけバスケが楽しくて、好きなんだろうな。そんなことを考えて何故か少し高尾が羨ましくなった。いや、もうここは帝光じゃないんだ、そんなことを考えるのはやめよう。
まぁ何がどうせならなのか分からないけど、またマネージャーでも嫌じゃない。人をサポートするのは嫌いじゃないし。寧ろどちらかと言うなら好きに傾くぐらいだ。 というかキセキの世代、誰なんだろう。さつきは桐皇って言ってたからきっとあいつも桐皇だろう。そうだな、……まぁ誰でも、いいや。
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