君と僕の関係 | ナノ

「そう言えばさぁ、」

部活が終わり、片付けをしていると高尾が思い出したように口を開いた。

「この前、真白ちゃんも真ちゃんみたいなシュート打てるって言ってたじゃん?あれってマジ?」

「なんだそのことか。
本当のことなのだよ。真白は俺たちと1on1をできるくらいには動けるのだよ。」

「……はぁあああ?!」

いきなりの暴露に高尾は顎が外れそうなくらい口を大きく開けて叫んだ。

「おい!うるせぇぞ!真面目に掃除しろ、切るぞ!」

「す、すんません!でも、宮地さん!今のは真ちゃんが!!」

大きな声を出しすぎたのか、いらいらしたように宮地が二人を怒鳴る。しかし、高尾もよほど驚いたのか宮地に対する怖さを忘れ言い募った。


「俺のせいにするんじゃない!」

「あぁ?何言ったんだよ緑間。」

「別に真白がバスケができると言ってただけです。」

「高尾!てめぇんなこと叫ぶ程でも」


「いやいやいや!だってキセキと1on1できるくらいっすよ?!叫びますって!」

高尾のその言葉にバスケットボールを投げようとした宮地が手を止めた。

「…マジ?」

「マジだから叫んだんす!だから投げないで!」

さすがの宮地も驚いたのかぽかんとした。と、そこに話題の彼女がやって来た。

「3人で集まって何してるんです?」
















珍しい組み合わせの3人が集まっていたので声を掛けると、高尾と宮地先輩がぐわっと私の方に顔を向けた。正直きも…怖い。

「え、あの、一体何…?」

なおもじっと見つめてくる2人にどうしていいのかわからず、私はみーちゃんにすがるような視線を向けた。するとその視線に気づいたらしいみーちゃんが説明をしてくれた。

「お前がバスケできると教えただけなのだよ。」

「絶対それだけじゃないでしょ?!ちょ二人ともみーちゃんの言ったこと丸のみしないでくださいね?!」

キセキの皆は大げさに言う傾向があるからきっと今回もそうだろう。これに中学時代どれだけ苦労したことか…。

「や、だっておま、ちょ、うぇえ?!」

「高尾、日本語になってないから」

「お前、キセキの世代と1on1してたってマジ?」
宮地先輩が真顔で聞いてきた言葉に思わず頭を抱えた。なに嘘言ってくれてるんだよ、緑間ェ…!

「みーちゃんのあほ!」

「な、あほとはなんなのだよ!事実だろう!」

あぁ、そんな変な目を見るような目で私を見ないで…!

「二人とも、いいですか。よく聞いてください。」

これは一刻も早く誤解を解かなければ、以前の雑誌事件の二の舞である。それだけは絶対に避けたい!

「1on1っていってもほとんどお遊びのようなものです。だってよく考えてもみてください。あのあほみたいに強い奴らにこんな女が勝てると思いますか?」

「……まぁ、普通に考えりゃあそうだよな。」

どうやら誤解は解けそう…

「青峰相手にポイントとっていただろう。」

「み、緑間ぁあああ!」

「真白ちゃん、やっぱり………」

あぁああ!もうどうしてくれるんだ!お願いだからそんな目で見ないでぇええ!

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