君と僕の関係 | ナノ

「え、嘘?!マジで?」

「マジでマジで。朝担任が言ってたじゃん」

来週から中間テストだねーと高尾に話しかけると高尾は目をひんむいた。もしかしてこいつSHRから寝てたな。

「うわ、やべー」

「何、高尾ってもしかして…馬鹿?」

「ちょっと真白ちゃんストレート!」

「だって凄い嫌そうだから」

「別に馬鹿ではねーけど、英語がなー」

練習に必死で全然勉強してねーし。とぶつぶつ言っている。
まぁ確かにあれだけハードならそうだよね。

「あぁ、確かにあんだけしごかれてたら帰ったらすぐ寝るよね。」

「真白ちゃんは何でそんな余裕なの?マネージャーも1人だし結構ハードっしょ」

まぁそうだけど。確かに私も何度帰ってすぐ寝ようと思ったことだろう。

「中学の時さ、キャプテンが厳しくてさぁ」

テストが迫る度にあの絶対零度の笑顔で「分かってるな」なんて疑問文のはずの確認の台詞を疑問符なしで言われたら、誰でも普段から勉強するよ。

「部活後も復習だけはしてたから、その癖が抜けなくて」

まぁそれでも数学だけはみーちゃんにたまに頼ってたけど。そして高校でも頼るつもりだ。

「うげぇ。じゃあやべーの俺だけ?」

「みーちゃんは当たり前に賢いからね。」

うおおどうしよう!と高尾が頭を抱えている。秀徳厳しいから赤点なんて取ったらどうなるかわかんないもんね。

「英語だけなら私教えようか?一応私英語得意だし」

まぁ得意と言うか喋れるし。

「え、真白ちゃん英語できんの?!」

せっかく人が親切心で言ってあげたのに失礼なやつだ。少し仕返しのつもりで私は口を開いた。

「That's so rude.In spite of my anxious for you,you say such a thing.Oh,I'm very sad.
(失礼ね。私は高尾のこと心配してるのにそんなこと言うのね。あぁ、悲しい)」

「…は?」

「Well,unless you pains with you English,you will never learn it.It is better for you to study it by yourself.
(まぁ英語は苦労しなきゃ習得できないし。独学の方がいいのかもね。)」

私がそこまで言っても高尾はポカンとしている。ふふん、あんなこと言うからだよ。

「Don't hold your tongue.…Hey,Takao??
(黙らないでよ……ちょ、高尾?)」

「…は!え、お前実はアメリカ人だったの?!」

口を開いたと思えば今度は目をきらきらさせてそう尋ねてきた。純粋に尊敬の眼で見てくる高尾に先ほどまで少しの優越感が霧散する。

「は?や、日本人ですけど。」

「だってお前、ペラペラじゃん!ほとんど意味分かんなかったけどすげーのは分かったぜ」

高尾さん、そこは力強く言うところじゃないです。

「疑ってわりぃ!是非教えて、つか教えてください」

「そりゃ私が言ったことだしいいよ。」

さっきまで疑ってた癖にとは少し思わないでもなかったけど、素直に高尾が謝ったので許す。

「やり!てか何であんな喋れんの?もしかして帰国子女とか?」

「あはは、違うよ。親戚がアメリカにいてさ、何故か親戚と会うときは英語だけって決まってたから覚えたの。」

私と歳の近い男の子がいて、遊ぶ子がその子しかいなかったから幼い私はなんとか英語を話せるようになろうと、いつもその子といて英語を教えてもらっていたものだ。
そういえば彼もバスケが大好きだったはずだ。何度か教えてもらった記憶があるし。
最近会ってないけど、また格好良くなっているんだろうな。




(元気なのかなー辰也くん)

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