01
※my sweet!if

「あ、」
「どうかしたんか?」

土曜日の部活後、皆でどこかに寄り道でもして帰ろう(真田とジャッカル、柳生と麗奈は用事があるからと先に帰った。)というときに茜が声を上げた。

「携帯忘れちゃった。」
「お前って時々馬鹿だよなぁ。」
「そんな先輩も可愛いっすよ!」

茜の言葉に次々と声が上がる。仁王は慰めようとしてくれたのだろうか、頭を撫でてチロルをくれた。その時丸井が幸村に蹴られているのが見えたが、皆見てないふりだ。

「良かったら俺の携帯貸そうか?」

女の子だから帰りが遅くなると心配をかけるかもしれない、と幸村が気遣ってそう声をかけた。

「んー…じゃあ、」

お言葉に甘えて、と言葉を続けようとしたところで、

「茜」

よく知っている声に名前を呼ばれた。

「え?」

正門の所を見ると、赤司がたっていた。

「征ちゃん?あれ、何で?」
「「「!」」」

茜が赤司に駆け寄りそう声を掛けると、茜が名前を呼んでいることに何人かが反応した。
「お前、今日携帯を忘れただろう。持ってきてやったんだよ。」
「ほんと?ありがとー!」

そう言った赤司に茜は抱きついた。赤司は呆れたような素振りを見せながらも彼女の頭を撫でる。そこで、固まっていた切原が声をあげた。

「あの、誰っすか?」
「あぁ、ごめんね!紹介するね、彼は赤司征十郎、私の幼馴染みだよー。征ちゃん、彼らが今の部活仲間ー。」

茜はそう言うと、1人1人名前を赤司に紹介した。

「へぇ。いつも茜が世話になってて悪いね。」

茜が紹介し終えたところで、赤司は1人1人を見かながらそう言う。

「え、違うよ征ちゃん!私が世話してる側だよ!」

茜の呼び方にまたしても何人かが反応をしめす。赤司は内心少し面白く無いが、表面上は笑顔だ。

「こいつは、いつも煩いだろう。」
「煩いってしつれー」
「いや、いつも元気付けられてて、助かってるよ。」

幸村も笑顔で対応するが、幸村と赤司の間に流れる空気はどこか冷たい。

「まぁ、確かに煩いが可愛いもんぜよ。」
仁王はくつくつと笑う。

「ちょ仁王君!せっかく幸村君が褒めてくれたのにちょっとバカにしてるでしょー」

赤司は茜の呼び方に気付き、少し気分が晴れた。
「そうか。なら良かった。」
back::next
×