![]() | 「髪切ったんだね。」 「あぁ、けじめだ、けじめ。」 朝学校に行くと、あの長かった髪をばっさりと切り、髪が短くなった宍戸がいた。 「けじめ?」 「あぁ、なんつーか自分に対する戒め的な?」 そう言う彼の顔は以前より何だかすっきりとした色を浮かべていて。 「なんか爽やか好青年だぜ!って感じだね。」 「はは!何だよ、爽やか好青年って。」 短髪になった宍戸は、前より雰囲気が柔らかくなった。前も、そこまでとっつきにくい、という訳じゃなかったけど。 今よりは何て言うか、もっと気取った感じがして、刺々しかった。 一体何が、誰が、彼を変えたんだろう。 「私も、髪切ろうかなぁ…」 ほぼ無意識な呟きだった。髪の毛を切れば、自分も変われるような気がして。 宍戸が前より柔らかくなって、喜ぶべきなのに他の女の子達が彼の魅力に気づいちゃうんじゃないか、なんて宍戸の変化を素直に喜べない自分が。 指先でくるくると自分の髪の毛を弄りながら少し傷んだ毛先を眺める。 「(前切ったのいつだったかな…)」 「何かあったのか?」 「え、!」 髪の毛を見つめてぼーっとしていたせいか、思いの外宍戸の顔が近くにあって驚く。 「何かあったから切っちまうのか?」 ほら、女子ってよくそう言って髪切るじゃねぇか。と宍戸は続ける。 「え、や、違う違う!毛先傷んできたしいっそばっさりいっちゃおうかな、って思っただけだよ。」 真っ直ぐとこちらを見つめてくる宍戸に少し戸惑いながらも答える。 何でそんなこと聞くのかと疑問に思いながらも、心のどこかで期待している自分がいる。 「、そっか。」 あぁ、もう、せっかく勇気を出して「何でそんなこと聞くの?」って思ったのに。 「まぁお前ならショートでも似合いそうだな!」 そんな輝いてる笑顔でそんなこと言われたら、 「あ、ありがと。」 聞けないじゃない、ばーか。 ((あぁあ!、顔赤くないかなっ?!)) ((良かった…。)) ――――――――― な、名前変換(´・ω・`) 優さま、企画参加ありがとうございました! |