02
「あぁそうだ。茜、ほら。」

赤司は思い出したようにそう言うとポケットから携帯をとりだし、渡した。

「ありがとう!そういえば何で私が携帯忘れたってわかったの?」
「俺の部屋に置き忘れてた。」
「…………あ、」

そんなやり取りに、仁王と幸村の眉間に少し皺がよる。

「部屋?」

丸井が疑問に思ったのかそう口に出す。

「え?あぁ、お隣さんだからね。」
「なんか生粋の幼馴染みって感じっすね!」

切原がへーっと感嘆の声を漏らした。仁王と幸村は何だかますます面白くない。柳はそんな珍しい様子の二人に内心少し笑う。そして、

「少しいいか?
赤司征十郎、とはあの"キセキの世代"のキャプテンか?」

そう問いかけた。

「あぁ、そうだ。よく知っているな。」

赤司が少し驚いたように返す。まさかテニス部の柳が知っているとは思わなかったのだろう。

「有名だろう。」
「え、キセキって、あの?!」

切原が今度は驚きの声をあげる。瞳には尊敬の色が見える。

「君も知っているのか。」
「や、友達がすっげぇ騒いでたから…。」
「わお、征ちゃん有名人!」

茜がからかうようにそう言う。きっと彼にそんなことできるのは彼女だけだ。

「それより茜。」
「ん?」
「今日の約束覚えてるのか?」
「…………あ、…忘れてた!」
「はぁ、だろうと思った。あぁ、君たち。悪いけどこいつは連れていかせてもらうよ。」
「ごめんねー?約束してたの忘れてた。また今度寄り道しよーね!」

茜は申し訳なさそうに皆に謝った。

「ほら、もう行くぞ。」

赤司はそう言うと、茜と一緒に去っていく。

「茜先輩の幼馴染みってすごいっすね!」
「確かにな。あの赤司征十郎だからな。」
「別にバスケがすごいだけじゃろ。」
「いや、頭もいいそうだ。以前中沢が言っていた。」
「…はは、なんかあいつもあいつの周りもすげーな、おい。
あ、手繋いだ。」
「……………。」
「幸村、赤也が怯えているからその笑顔をやめてやれ。」
「え?やだなぁ柳。俺はいつもこの顔だよ?」
「……………。」



「ほんとごめんねー?悪気はなかったんだけどー…」
「いつものことだろう。それより、ほら、危ないから手。」
「ん!相変わらず手おっきーねー」
「お前が小さいだけだろう。ほら、危ないからこっちこい。」
「えへへーありがとっ!」

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いちゃいちゃしてるということに…!あ、本編には全く関係ないということにしといてください((
沙希さま、企画参加ありがとうございました!
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