![]() | 「あぁそうだ。茜、ほら。」 赤司は思い出したようにそう言うとポケットから携帯をとりだし、渡した。 「ありがとう!そういえば何で私が携帯忘れたってわかったの?」 「俺の部屋に置き忘れてた。」 「…………あ、」 そんなやり取りに、仁王と幸村の眉間に少し皺がよる。 「部屋?」 丸井が疑問に思ったのかそう口に出す。 「え?あぁ、お隣さんだからね。」 「なんか生粋の幼馴染みって感じっすね!」 切原がへーっと感嘆の声を漏らした。仁王と幸村は何だかますます面白くない。柳はそんな珍しい様子の二人に内心少し笑う。そして、 「少しいいか? 赤司征十郎、とはあの"キセキの世代"のキャプテンか?」 そう問いかけた。 「あぁ、そうだ。よく知っているな。」 赤司が少し驚いたように返す。まさかテニス部の柳が知っているとは思わなかったのだろう。 「有名だろう。」 「え、キセキって、あの?!」 切原が今度は驚きの声をあげる。瞳には尊敬の色が見える。 「君も知っているのか。」 「や、友達がすっげぇ騒いでたから…。」 「わお、征ちゃん有名人!」 茜がからかうようにそう言う。きっと彼にそんなことできるのは彼女だけだ。 「それより茜。」 「ん?」 「今日の約束覚えてるのか?」 「…………あ、…忘れてた!」 「はぁ、だろうと思った。あぁ、君たち。悪いけどこいつは連れていかせてもらうよ。」 「ごめんねー?約束してたの忘れてた。また今度寄り道しよーね!」 茜は申し訳なさそうに皆に謝った。 「ほら、もう行くぞ。」 赤司はそう言うと、茜と一緒に去っていく。 「茜先輩の幼馴染みってすごいっすね!」 「確かにな。あの赤司征十郎だからな。」 「別にバスケがすごいだけじゃろ。」 「いや、頭もいいそうだ。以前中沢が言っていた。」 「…はは、なんかあいつもあいつの周りもすげーな、おい。 あ、手繋いだ。」 「……………。」 「幸村、赤也が怯えているからその笑顔をやめてやれ。」 「え?やだなぁ柳。俺はいつもこの顔だよ?」 「……………。」 「ほんとごめんねー?悪気はなかったんだけどー…」 「いつものことだろう。それより、ほら、危ないから手。」 「ん!相変わらず手おっきーねー」 「お前が小さいだけだろう。ほら、危ないからこっちこい。」 「えへへーありがとっ!」 ―――――――――― いちゃいちゃしてるということに…!あ、本編には全く関係ないということにしといてください(( 沙希さま、企画参加ありがとうございました! |