substance
「あ、真田。まだ残ってたんだ。」

忘れ物をしてしまい教室に入ると、真田がまだ残っていた。

「あぁ、今日は日直だったのでな。」

高校生になって彼は少し変わった。中学時代は老け顔と言われていたが高校に上がり顔は大人びているという表現が似合うようになった。
中一の頃からずっと同じクラスでよく話していた彼が、何だか最近遠い。

「お前はどうしてこんな時間に?」
「あぁ、忘れ物しちゃってさ。」

自分の机からノートを取りだし、ひらひらと降る。

「気を抜いているから忘れ物などするのだ。お前は相変わらずだな。」

真田は呆れたようにそう言う。何だか私だけ子供みたいだ。

「どうせ私は子供だもん!」
「何を拗ねている。」

真田が不思議そうに私に問いかける。けれど、年を重ねるにつれてひねくれた私の性格は素直に思っていることを伝えるのを許してはくれない。

「別にぃ?」
「なんだそれは。……帰るのか?」
「そりゃね。目的は達したし。」

でも―――

「もう時間も遅い。危ないから送っていこう。」

その優しさを向けてもらえるうちは子供のままでいてもいいかな、なんて。

(あれ?そう言えば部活は?)
(今はテスト期間だろう。)
(あ、そうだった…。勉強せずに私なんかを送ってていいの?)
(お前を1人で帰した方が心配で勉強できぬわ。)
(〜〜〜っ(この天然めっ!))
(??)

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これは、甘い…のか?……(^ω^)キニシタラマケサ
ごほん、何はともあれ輝さま、今回は企画参加ありがとうございました!
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