「今日はまず、走り込みするからタイムと並走頼めるかな。」
「りょうかーい!」
「分かりましたわ。」
朝食が終わると幸村がそう言った。
「じゃあ私タイムと並走するねー。体力はある方だし!」
雪がそう言ったので麗奈はドリンクを作り始めた。
「よーし、じゃあスタート!」
自転車に乗り、ストップウォッチを首に下げた雪がそう声を張ると、皆一斉に走り始めた。
「ん、ん、んー…やっぱ桑原君が1番かぁ。データ通りだねぇ。」
自転車を止め、ノートに今まで見たデータを記入する。
「にーくんと丸井君はタイプは違うけどちょっと特訓が必要だね。」
仁王、と書かれた欄にはには要体力 丸井、と書かれた欄には要減量 と大きく記入する。
「んー真田くんと柳生くんは、柔軟が必要かな。」
そして次々と名前が書かれた欄に記入していく。
「柳くんとゆーくんはここまで慎重にならなくてもいいのにー、きりちゃんはまぁ及第点だね。」
そこまで呟いて、雪は再び自転車に乗りゴールへ向かった。
「お疲れさまー。一着おめでとう!」
ゴールで麗奈と合流して待っていると途中経過通り桑原が1番でゴールした。
「はぁ、は、サンキュ、」
さすがに8kmはきつかったのか、はぁはぁと息切れしている。しかしすぐにドリンクを飲み、クールダウンを始めた。
桑原がクールダウンの為に歩いていると次に幸村が到着した。
「はい、お疲れさまー」
「あり、がとう、はぁ、はっ」
幸村も同じように息切れしている。そしてそれを皮切りに次々と皆が到着する。
「さて、ビリ争いだね!」
「確か後は二人ですわよね?」
「うん、あ、来た。」
角を曲がり見えたのは銀髪。
「ビリは丸井君だね!」
「まぁ妥当ですわね。」
仁王がぜぇぜぇ言いながらゴールするとやっと丸井がやって来た。桑原とは約10分差だ。
「はい、お疲れさまー。ビリだよ!」
「はぁはぁ、おまっせっかく、ゴール、した、俺に言うこと、それかよぃ、っはぁ、」
ニコニコとビリ宣言する雪に丸井はぜぇぜぇ言いながらも突っ込む。
「ありゃ、意外と元気だ。」