「えっと、替えは何枚いるんだっけ?」
合宿が明日に迫り、雪は荷造りをしていた。
「―――ふぅ、こんなもんかな!」
〜♪
と、ここで携帯が鳴った。
「もしもーし!」
『もしもし?俺じゃけど』
「におくん?どうたの?」
電話は仁王からだった。
『明日から合宿じゃろ?』
「そうだね!私はまず朝起きられるかが問題だけどねー」
いつもより2時間も早く起きなきゃいけないなんて、と雪は不安気だ。
『そのことじゃが、一緒に行かんか?迎えに行っちゃるぜよ。』
「ほんと?行く行く。」
実際遅刻するかも…と思っていた彼女には思ってもみない誘いだったようで、嬉しそうだ。
「あれ、でも場所分かる?」
『おん。交換生は学校の近くのアパートが貸し出される決まりじゃから、そこじゃろ?』
「うん、そこ。良かったー実をいうと真田君の制裁ちょっと覚悟してたんだよね。」
以前切原が遅刻で真田に殴られてるのを見て凄く痛そうだった。それから頑張って起きよう!と意気込んだが今回は不安だったのだ。
『あれは痛いからのう。しばらく紅葉が消えんなり。』
「うわ、まじか!
にーくん様々だー」
『まーくんは優しいからの。プリッ』
「明日、なんかお菓子あげるからね!」
『ブンちゃんと一緒にするんじゃなか。』
「あははー。っとそろそろ寝なきゃ明日起こされても、起きれない!」
時計にふと目をやると、もう30分もすると日付を越す時間だった。雪は慌てる。
『おーじゃあまた明日じゃな。』
「うん、おやすみ〜」
そう言って電話をきった雪は携帯を充電器に差し込み、布団に入った。