「ふぅ!買ったね〜!」

「楽しかったけど、買いすぎちゃったかな?」

「買いすぎちゃったかな、じゃなくて買いすぎっすよ!」

2人より荷物を持った黄瀬が言う。

「うるさいよー!きーちゃんも途中ノリノリだったじゃない!」

「うぐっ!だってお揃いっすよ?!テンションあがるじゃないっすか!」

「ふふ、でもちょうど3色あって良かったよね!」

そう、結局お洒落なストラップを見つけ3人で色違いのものを買いっこしたのだ。

「そうだね!」

さつきは満面の笑顔で答える。そんな2人を見てうちひしがれる。

「扱いが違うっ!

てか、何かお腹すいたしファミレスでも入りません?」

「そういえばお腹空いたねー。そうしよ!」

「何食べよっかな?」

そんな会話を交わし3人で近くのファミレスに入った。



「あー疲れた!すいませーん!俺スペシャルパフェ!仁王はどうする?」

丸井は机にぐでんと寄りかかりながら注文する。

「コーヒーでええなり。」

「うげ、お前ファミレス来た意味ねーじゃん。あ、以上で。」

丸井は仁王の注文に文句をつけながらも、きちんとコーヒーを頼む。
定員は 注文を繰り返すと、少々お待ちください、と言ってさがった。

「にしても最近練習きつくね?特に俺ら!」

「3年も引退するしのう。次のレギュラー候補を育てたいんじゃなか?」

丸井の文句に仁王が冷静に返す。

「それでも最近異常だろい…。何でお前は平気そうなんだよ!」

「これでも筋肉痛に悩まされてるぜよ。」

「はぁ?全然見えねー。」

そこまで話たところでパフェとコーヒーが来たので、一旦話をやめ食べ始める。

すると、聞き覚えのある声がした。

「さっちゃーん!パフェとアイスどっちがいいかな?!」

「えー、私も今迷ってる!」

店内を見回して見ると、雪と知らない女子、そして金髪の、多分男であろう後ろ姿が目に入った。

「じゃあ、1つずつ頼んで俺と半分こするっす!」

そんな声が聞こえ、仁王の眉間に微かに皺がよる。

「あの子吉田とおんなじ制服着てっから帝光か?」

「…そうじゃのう。」

仁王の眉間の皺に気づかない丸井がそう言い、仁王は返事を返したものの雪の前に座っている金髪の男の後ろ姿を睨む。

すると視線を感じたのか、雪が気づいた。笑顔で手を振り一緒に座っている2人に声をかけ仁王たちの近くの席に移動してきた。

「偶然だね!」

「おう!なぁその2人って帝光の?」

「あ、紹介するね!
きーちゃん、さっちゃん!こっちがおんなじクラスの丸井君と仁王君!」

丸井は笑顔でシクヨロ☆なんて言っているが、仁王は軽く会釈をしただけで金髪の男を見ていた。

「で、こっちがきーちゃじゃなかった。黄瀬涼太君と桃井さつきちゃんだよ!」

紹介された黄瀬は仁王の視線に気づき、何か勘づいたのか不敵に笑った。

その後、注文をして届いたパフェ等を食べながら5人で話をしていた。

「え!雪ちーのバスケ見たの?!」

「おう!こいつすっげえのな!」

「スリー打った時のリングからの距離があり得なかったぜよ。」

「うわ、俺も見たかったっす〜!雪っちのバスケ姿なんてレアっすよレア!」

何だかんだ会話が続く。まぁ仁王はいまだにどこか黄瀬を敵視しているようだが。

「えー、普通にするよバスケ。」

「いつも途中で赤司っちが止めるじゃないっすか!」

「あは、確かに!」

丸井と仁王の知らない名前が出てきた。

「赤司って誰じゃ?」

「うちのキャプテンっすよ!もううちのチームレギュラー全員2年なんす!」

「げ、まじ?んなことあんの?」

「帝光は実力主義なんだよ〜」

とそこで桃井が声を上げた。


「さっちゃんどったの?」

「もうこんな時間!」

「わ、きーちゃん仕事大丈夫?確か6時40分からだよね?」

雪のその言葉に黄瀬が反応する。

「あーそろそろ出なきゃヤバいっすね。」

「じゃあ行こっか。仁王君、丸井君また明日ね。」

そう言うと3人は席をたった。レジに向かう前に黄瀬が仁王に何か囁いた。仁王が不機嫌な顔になる。


「さ、今日は俺が出すっすよ!」

「「やった!ありがと!」」




「何言われたんだよい?」

あからさまに不機嫌になった仁王が珍しく丸井が声をかけた。

「…なんでもなか。」

しかし仁王はそう言い不機嫌なままだ。丸井は気になったが、仁王をこれ以上不機嫌にさせるのも嫌なので、追及はしなかった。


「名字で呼ばれてるようじゃ、まだまたっすね。」
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