「お風呂気持ち良かったね〜!」
「思っていたより広くて快適でしたわよね」
「のぼせたなり…。」
「相変わらず暑さによえーな!」

雪達が風呂から上がるとちょうど男風呂から丸井達が出てきた。

「あれ、真田君とか柳君とかは?」
「柳生君とジャッカルもいませんわね。」

麗奈はにこやかにそう言うが、丸井と切原を見る目は笑っていない。二人は速やかに目線を泳がせる。

「真田は年だからね。もっとつかるらしいよ。」

何だか最近幸村が爽やかな笑顔でさらりと毒を吐くので、心臓に悪い。

「あ、あは。そうなんだ」
「もう立っとれんなりー」

苦笑いを溢していると、急に仁王がそう言ってのし掛かってきた。何だか昨日の事が思いだされ、慌ててしまう。

「ちょ、に、にーくん?!」
「んー聞こえんなり。」
「ふふふ、仁王?」
「先輩、仁王先輩は危ないっすよ!」

明らかに確信犯な仁王にわたわたと慌てていると幸村が仁王の肩を掴みながらそう言い、切原がそう言って避難させてくれた。

「ありがと、きりちゃん。」
「いいえ!先輩の為ならこれぐらいなんてことないっすよ!」

雪と切原がほのぼのとそう話をしているが丸井はその後ろの仁王が気になっていた。

そして、ちらりと見てから即座に見た光景を忘れることにした。

「雪様に触れたんですからあれくらい当たり前ですわよ、うふふ。」
「(俺ももうちょっと風呂入ってれば良かった…っ!)」

今さら後悔しても手遅れだった。と、そこで知らない声が聞こえた。


「雪か…?」

声のした方へ向くと、浅黒い肌をした顔の整った同い年ぐらいの少年がいた。どうやら驚いているようだ。しかし、雪もそちらを向くとその少年以上に驚いた。

「んあ?え、あれ、何でいるの?!」

どうやら雪の知り合いらしい。

ばったり!
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