「そういえば、今日からもう一校来るんでしたわね。」
「あぁ、初日に言ってたよね〜」
麗奈が思い出したようにそう言えば、雪もゆるゆると返した。
「騒がしくない方たちだといいですわね。」
「あはは、れーちゃん騒がしい人嫌いだもんね!まぁ来てからのお楽しみだよ!」
二人はそう会話を交わしながら仕事をこなしていった。
「そうだ、忘れてたけどここって温泉がついてるらしいよ。」
夕飯を食べ終わり、皆で寛いでいると幸村がそう言った。
「え、まじっすか?」
「入りにいこうぜぃ!」
切原は嬉しそうにそう返し、丸井はもう入る気満々だ。
「というか何で今さら…。」
「本当に忘れていた確率92%。」
「残りの8%は何なんじゃ。」
「つべこべ煩いよ仁王」
しっかりデータを出した柳に仁王が突っ込んだものの、幸村の一言に黙らざるをえない。と、そこで空気の読めない男真田が口を開いた。
「そうだ!ここは黙って裸で男同士の付き合いをだな、」
「黙れおっさん。」
しかし幸村の絶対零度の笑顔にもう泣きそうである。
「あんな煩い男ども……げふん、方々は放って置いて行きましょう。」
何だか日に日に麗奈が幸村化しているのは雪の気のせいなのだろうか。目の前の可愛らしい笑顔を見て、雪は無理矢理気のせいだということにした。
「うん!」
決して突っ込むのが怖いからじゃない、うん。
「意外と広いっすねー!」
「これが、温泉か。」
はしゃぐ切原の横でジャッカルが興味深そうにキョロキョロしている。
「こういう時はジャッカルがハーフな感じがするなり。」
「一体普段はどういう感じなんですか…。」
仁王の言葉に柳生が呆れたようにそう言う。
「よし、ジャッカル!俺が温泉について教えてやんよ!」
何だか丸井がいきいきしている。そんな彼に切原が意外そうに口を開く。
「え、丸井先輩ってそんなに温泉好きだったんですか?」
「赤也、お前馬鹿か!」
しかしそんな切原に丸井は呆れたように鼻で笑うと、どや顔をして腕を組んだ。
「温泉と言えば、覗きだろぃ!」