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xx第弍話xx




あれから愛沢サンは忍足と向日にべったりだった。

「雅〜、なんか期待してた私が馬鹿だったよ〜」

あのあと教室に戻ると美歌がぐったりと抱きついてきた。いつもなら引き剥がすが、愛沢サンがらみなようなのでそのままにしておく

「愛沢サンのこと?」
「そう!さっきね、一応お昼一緒に食べない?って誘ったんだ。雅が珍しく興味ありげだったから、どんな子かなっておもったからさ?」

やっぱり美歌はいい働きをしてくれる。

「へぇ、そしたらなんか言われたの?」
「そうなのっ!今日来たばっかりの癖に、『どうせ私と仲良くなってゆうしたちに取り入ろうって魂胆なんでしょ?そういうの迷惑だからやめてくれない?』なんて意味分かんないこと言うんだよ!?」

思わぬ返答に少し目を見開く

「それは、確かに不思議なことを言うね。」
「でしょ!?だから雅もあんなやつと関わらない方がいいって!
雅忍足たちと仲良いから、絶対になんかされるって!私、もし雅が何かされたらあの子になにするか分かんないよ?」

美歌の目に微かに暗い光が灯る。この子は私に依存している。別にそれが悪いこととは思わないからそのままにしている。これでも私は友達は大事にする方だ。
(好きなだけ依存でも何でもさせてあげるよ、美歌)でもそれとこれとは話が別だ。はい、そうします。と頷く訳にはいかない
(だってそれじゃあつまらないもの)


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