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xx第陸話xx

「ねぇ、練習試合っていつだったっけ?」

そんな私の言葉に部屋、生徒会室内にいる2人の視線が集まる

「この土曜だが、どうしたんだ?いきなり」
「ん〜応援に行こうと思ってさ」
「っほんまか?」

不思議そうな視線を向けながらも答えてくれた跡部に微笑みながら答えると、何故か忍足が声をあげた

「うん、本当」
「よっしゃ、やる気めっちゃ上がったわ!」

テンションを急上昇させた忍足に比べ、跡部は眉間に皺を寄せながら複雑そうな表情をつくっていた

「迷惑だったかな?」

ー跡部も分かりやすいなぁ

「んなわけねぇよ!………ただ、今度の練習試合の相手が立海だってことと、あの女の事が気がかりだっただけだ」
「まぁ立海ってとこはわかるんやけど、何で愛沢もなんや?」
「あの女、俺たちと仲のいい女子を見つけるといじめをしてるっていう話がある。それも俺たちにはばれないように、だ」

――さすがキング、情報がはやいね「っちゅーことは、雅も危ないかもってことか?」
「…そういうことだ」

二つの心配そうな顔がこちらに向けられる。でも、ここで行けなくなっちゃ困るんだよね、

「大丈夫だよ、その話も、私が見てないからほんとかどうか分からないし。もしかしたら愛沢サン、いい子かもしれないじゃないか」

――まぁ話は事実だろうけど
「雅は優し過ぎるんや!もうちょっと人を疑うってことを覚えてくれな、俺心配やわ」
「忍足と意見が被るのは嫌だが、俺も同感だ」
「ふふ、二人は私のこと贔屓目に見すぎだよ。それにもしその話が本当だったとしても景吾とゆうしが守ってくれるでしょう?」

とびきりの甘さをのせて言葉をつむぐ。そうすればきっと、永遠に愛沢サンが見られないような二人の表情とともにに返ってくる言葉は、ひとつ

「「当たり前だ(やで)」」

ね?



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