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xx第伍話xx

私は授業をサボるために屋上に来ていた。授業終了のチャイムがなり、少したった時だった。ガチャリと屋上のドアが開いた

「わざわざこんな所に連れてきて、何の用なの?」

愛沢サンとファンクラブの数名だ。幸い私がいるのは位置的にばれていないらしい

「分かっていらっしゃるとおもいますので、単刀直入に申し上げます。マネージャーをお辞めになってください」

丁寧な口調で言葉をつむぐ彼女はファンクラブの会長である、五十嵐 麗だ

「やっぱりね!どうせあんたたちもテニス部は皆のものだ、とか思ってんでしょ?そういうの皆の迷惑だからやめてくれない?テニス部は誰の物でもないわ!彼ら自身の物よ!」

…あきれた。何を言うかと思えば、「テニス部は誰の物でもない」?そんなの彼女たちだって当たり前に分かってる。ファンクラブの活動も知らずに、勝手にファンクラブのイメージを決めつけている愛沢サンは、やはり少し頭が足りないらしい。氷帝のファンクラブは結構機能的だまず新しいマネージャーが入ると、1ヶ月は品定め期間(もしそれがテニス部誰かの彼女ならあまり手は出さない)もちろんそこで不合格ならまず今日のような忠告を受ける。それでもやめない場合は実力行使、だ。
それにあまり邪魔になるような応援はしない(それでも多少視線は多いが、それはそれで彼らも精神力が鍛えられる、と感謝しているようだ)
ーーまぁ私がそう″作り変えた″んだけど

「何をおっしゃるかと思えばそんなことですか?」

会長も呆れてる

「まぁとりあえず忠告は致しました。それと、私たちが忠告をするのにもちゃんと理由がある、ということを覚えておいて下さい」

きっと予想と違う展開、ファンクラブの冷静な対応に驚きが隠せなかったんであろう、彼女は「そっそんなこと言ったってどうせ分かってないわ!とにかく私は絶対やめないからねっ!」と言って逃げるように出ていった

(何だか予想通りというかなんと言うか……まあ面白くないなら、面白くしちゃえばいいんだよねぇ)


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