2 あのあとなんとか美歌をなだめた私はある部屋に出向いた。 コンコン 「入れ」 中から少し不機嫌そうな声が聞こえる 「失礼するよ?」 「!雅か」 「そうだよ。急に呼び出すなんてどうしたの? 跡部」 そう、私が向かったのは生徒会室だ。中には私を呼び出した張本人、跡部しかいないらしい。 「さっき俺様のところにマネージャーになりたいという女が来た」 「!へぇ、どんな子?」「どうせ分かってんだろうが…愛沢姫華、お前が言っていた女だ」 ーえらく行動が早いね、愛沢サン。 でもどうやら私の想像通りに動いてくれているようだ。 「ふふっ、わざわざ教えてくれてありがとう、跡部!それで、どうするの?」 「お前が望むように、と言いたいが俺様はどうもあの女はいけ好かない」 初対面でここまで悪印象与えるってどうなの、愛沢サン。忍足にいたっては話す前から嫌われてたみたいだったし でもマネージャー、なってもらわないと困るんだよねぇ 「ねぇ、景吾。私のお願い聞いてくれない?」 跡部に近づき、顔を寄せて耳もとで囁く 「わっ、」 と、跡部に腕を引かれ彼の胸の中へ収まる形になってしまさらさらな彼の髪の間から耳が赤いのが見えた 「こんな時だけ名前呼ぶんじゃねえよ、反則だろ」 「ごめんね?跡部、」 「″お願い″聞いてやるから少しこのままでいろ」 「ありがと、景吾」 私はそう言って彼の背中に腕を回した これからどうなるのか、楽しみだなぁ…。ふふっ、楽しませてね?愛沢サン ×
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