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「ねぇ、そんなに怒らないであげて?きっと愛沢さんにも何かいらいらすることがあったんだよ。私もいらいらすると何かにあたっちゃったりするから、その気持ち分かるんだよね、」

私の口から言葉がでると同時に視線がこちらに集まり、言葉が紡がれていくにつれて皆の顔に驚愕の色が露になっていく

「何ゆうてるん!?雅はこいつに殴られたんやで!?」
「そうですよ!こんな奴雅さんがかばう必要なんてないですっ!」
「(はぁ、やっぱりめんど……)でもね、私は怪我もしてないしどこか痛めたわけじゃないし、それに、愛沢さんにだって何かあったんなら彼女だけが責められるのもおかしいでしょ?」

ちらりと彼女に目線をやるとようやく状況が呑み込めつつあるのか、表情のこわばりが緩みはじめている

「ね、だから今回はもういいでしょう?今回だけでいいからさ?」

少しの沈黙が続くそして――…

「っ雅さんは優しすぎます…っ」

遂に鳳が口を開いた。どうやら私の願いは届いたらしい他の面々も苦い顔をしていることからきっと皆も同じだろう

「……雅の優しさ無駄になんて出来ねーし。本当に今回だけだからな!!分かってんだろーな、愛沢」
「う、うん…!」

いや、こっちとしては分かられたらこまるんだけどな、と内心笑う
(でもこれでー……)



(全ての準備は整いました)(次に迎えるはクライマックス)(皆様もうしばらくお付き合いください)


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