2 あぁ、やっぱりなんてお約束な展開なんだろう!やってきたのは、 「私ぃ、氷帝のマネージャーの愛沢姫華っていいまぁす!景吾に言われて案内に来ました!よろしくねっ」 不自然に間延びしたしゃべり方に、パンダ目の上目遣い。前も思ったけど、これはミーハーを隠しているつもりなのだろうか?それに何だか前より酷くなっている気がする。転入当初はもうちょっと可愛かったんだけどなぁ (まぁ、それだけ焦ってるってことだろうけどね?) 「…立海の部長、幸村精一だよ」 ほら、幸村の顔が少しひきつってる。他の面々もだけど。まぁここは私のでる幕じゃないから退散させてもらうことにする 「あぁ、案内する人がいたんだね。それなら残念だけどまた今度、ね?じゃあ、私は先に行ってるから頑張って」 愛沢サンには見えないように、立海の皆に微笑みかける。すると、何人かは私の言わんとしていることが分かったのか意外とすんなりと送り出してくれた (賢い子は好きだよ、幸村、仁王、柳) 特別アツい視線を背中に感じながら私は先にテニスコートへ歩いて行った (わざわざいろんなきっかけつくってあげてるんだから、ちゃんと面白いもの見せてね?愛沢サン。もしつまんないと、どうなっても知らないよ?) 聞こえるはずがないであろう心の中で彼女に問いかけ、忠告をした。もちろん、 ぎりっ 「まただわ、あの女…っ」 私の後ろ姿を見ながら醜く顔を歪めているだろう愛沢サンに向けて、ね? ×
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