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跡部 side

俺が今までで唯一自分から望みそして愛している女、雅。そんな大切な人を傷つけるかもしれない存在
愛沢姫華
雅の望んだように、今までは一応普通に接してきたが、もしあいつが雅を傷つければきっと俺は………
驚くほど自分の中心にいる雅。しかしそれが嫌だとは全く感じない。この甘美でどこか狂気的な感情に、終わりなんてないとすら思えるぐらいだ。端から見れば何を1人の女に、と思われるかもしれないが別にそれでもいい。あいつにならば利用されていたっていい。ただあいつに、雅に必要とされたい、傍にいたい。きっと昔の俺がみたら今の俺を馬鹿にするだろう。けれどこの感情を知ってしまった、味わってしまった俺にはそんな些細なことはきにもかからない

それに、さっきの雅のあの言葉
―「景吾とゆうしが守ってくれるでしょう?」―
忍足の名前もあったのは気にくわねぇが、極上の甘さを含んだそれに、俺はきっともう取り返しがつかねぇぐらいあいつに溺れているんだと自覚した。それに多少の程度の違いはあれ、他のテニス部のやつらも似たようなもんだ
(そのなかでも特に酷いのはきっと俺と忍足、そしてあいつだろう)

ただ俺が心配なのは…――


((僕のどこか狂気的なこの感情が、僕の体の中にくすぶっているこの思いが、いつか、いつか、君を傷付けてしまわないだろうか、))


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