2 忍足 side 俺の何よりも大事な女(ヒト)、雅。そんな子が練習試合応援に来てくれるっちゅーなら嬉しいんは当たり前や。でも、そんな気持ちを害する奴がおる 愛沢姫華 あんな奴が雅の気にかけられているだけでも許せへんのに、雅をいじめる可能性があるなんてさすがの俺も我慢でけへん。ただでさえべたべたとくっついてきてうっといっちゅーのに……もういっそ潰してしまおうかとも思ったこともあるが雅がそれを望んどらへんから、かろうじて踏みとどまってる それに、雅のさっきのあの言葉 ―「景吾とゆうしが守ってくれるでしょう?」― まぁ跡部の名前もあったんは気にくわんけど、極上の甘さを含んだあの声でつむがれたその言葉の意味は (もしあいつが雅になんかしようとしたら我慢せんでええゆうことやろ?) 自分がどうしようもなく雅中心に回っていることはとっくの昔に自覚済みや。せやけど、 (それから抜け出そういう気はおこらへんわ) ただ心配なんは、―…… ×
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