2 彼女が出ていったのを見届けてから私は声をかけた 「麗ちゃんがこんなに早く動くなんて、珍しいね」 「!」 急に声をかけられて驚いたようだったが、私だと分かったからか表情が柔らかくなる 「雅さん!見ていらしたんですか…申し訳ございません、見苦しいものをお見せいたしましたわ」 「んーん平気だよ。それにしてもどうして今回はこんなに早いの?彼女まだマネになって10日ぐらいでしょ?」 まぁ予想はついてるけど一応、ね 「はい、ですが彼女の行動は目に余るものがありました」 麗ちゃんの話では、彼女は平のマネージメントをしないばかりかレギュラーのマネージメントもドリンクだけで、やたらと彼らにべたべたしているらしい。(洗濯、部室の整理は平にやらせているようだ) 「あのような態度はレギュラーの方達の練習の妨げになっております。ですから私たちも少し早いですが行動をとらしていただいたんですの」 「ふぅん、確かにそれは目にあまりすぎるね。…あぁそういえば、宍戸や長太郎も何だか気持ち悪いって言ってたなぁ…」 大分内容をはしょったのはご愛嬌だ 「やっぱりそうですの?彼らもそう思っていらっしゃるなら過激派の方達にもあまりストッパーは掛けないでおきますわ」 いくら機能的だといっても、熱狂的なファンは少なからずいる。制裁を加えるのはそういう子たち、所謂過激派だ。いつもなら麗ちゃんが彼女達に初めからあまりひどくしないように、とストッパーをかけているのだ ーーこれで少しは楽しくなるかな? 「あぁ、そういえば雅さんもお気をつけくださいね」 突然の言葉の意味が分からなかった 「?何がかな?」 「それが、彼女、愛沢姫華はレギュラーと仲のいい方たちをいじめているようですの。ですから、彼らと仲のいい雅さんに被害がいくのでは、と心配しておりましたの。まだ何も無いようですが、くれぐれもお気をつけくださいね?」 「あぁ、」そういうことか 「うん、分かったよ。ありがとう麗ちゃん。相変わらず凄く優しいんだね」 にっこりと笑顔を作り、彼女の頭を撫でてやる 「いっいえ、そんな!私はただ雅さんが心配なだけでっ」 とたんに麗ちゃんが顔を真っ赤にする 「ふふっ可愛いなぁ、麗ちゃんは」 「もう、からかわないでください雅さんっ」 さぁ、これでどうなるのかな。ふふふっ、楽しみだなぁ! ×
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